日報

あるいは遺書

りゅう

ゆらめき in the water

しんとした冷たい水の中で


息をする都市


彼の夢を、彼の嘘を


反映して


そこに行こう、買い物しよう


公園でキャッチボールをしよう


魚になることは簡単だ


口から泡を吐けばいい


僕は満たされたい


僕は君になりたい


学校が休みになって


寝ぼけた頭でNHK教育を受信


窓の外を黒い鳥が通り過ぎていくならば


細胞の分裂が活発になる


幻の中で声を聴く


骨や体温を通して


さようならという響きに含まれる温度を


僕たちはみんな待ち受けている


それだけが人生だとは思わないけれど


お母さんが


包丁を使い食材を切り分けていく


次々と


分断されていく


時計の針がちくたくと喋り


カーテンが風に揺られて微笑む


天井と壁と窓と扉が四角い


ここは宇宙の一部分に過ぎない


大切なものは遠くにあるんだ、だからこそ楽しい


また深いまどろみへ


時間と空間は簡単にねじ曲がり


善と悪の相反する輝きを僕たちは生まれつき持っている


目に見えないものの声を聴くしかないのだ、今のところは


よし、なんかやろう、何でもいいから


また遊ぼうね、絶対


金色の雨が降る


僕たちはまだ誰にも見つかっていない