日報

あるいは遺書

りゅう

昆虫

靴紐を結んで


扉を開けて


白い光の中に消えていく


小さな子供たち


太陽が誰の上にも平等に降り注ぎますように


君が小さな幸せを見つけられますように


どうか夜を嫌いにならないように


空が青い


昆虫


一緒に眠ろう


ただ生まれただけの僕ら


甘い香りのする花に包まれて


見送って見送られる


さよなら、またね、


また遊ぼう


電車に揺られ、どこに運ばれる?


もう取り返しのつかないくらい


色んなことが綺麗に片付いてしまって


君の瞳から海が零れ出したのも


夕凪の風が影を揺らしたのも


月の光が昨日と今日の境目を溶かす


たくさんの色の幽霊が窓の外を通り過ぎる


偶然じゃなくて


最初からそこにあったもの


止めどなく深く沈みながら


上空にシャボン玉を吐く


心地よい声を探す


またあの場所で待ち合わせしよう


何十年後か、何百年後


どんなに姿形が変わり果てても


変わらないものだけを詩にするから