日報

あるいは遺書

りゅう

あたたかく赤い鼓動

その深い泥の中になにを沈めた?


人が踏み入れるべきではない領域


ひんやりとした静謐な空気


安らかな顔で眠って


星の屑を吐き出して


また安らかな顔で眠って


止めどなく季節を知覚して


愛と自我の境界を近くする


あなたの周りで素粒子が踊る


過去と未来が混ざり合っていくのがわかる


夜と朝の区別がなくなる


もうすぐ世界は本来の姿に戻る


成すすべがない


空のカーテンを開ける


深海の涙を拾う


龍脈の振動に合わせて


ゆっくりと悲しみの糸をほどく


青い街に夕陽が射す


オルゴールの波長で手紙を送りたい


言葉以外の言葉で詩を伝えたい


心の中の祠に向けて


あなたのすべての春の日の記憶やあたたかく赤い鼓動に向けて