あたたかく赤い鼓動
その深い泥の中になにを沈めた?
人が踏み入れるべきではない領域
ひんやりとした静謐な空気
安らかな顔で眠って
星の屑を吐き出して
また安らかな顔で眠って
止めどなく季節を知覚して
愛と自我の境界を近くする
あなたの周りで素粒子が踊る
過去と未来が混ざり合っていくのがわかる
夜と朝の区別がなくなる
もうすぐ世界は本来の姿に戻る
成すすべがない
空のカーテンを開ける
深海の涙を拾う
龍脈の振動に合わせて
ゆっくりと悲しみの糸をほどく
青い街に夕陽が射す
オルゴールの波長で手紙を送りたい
言葉以外の言葉で詩を伝えたい
心の中の祠に向けて
あなたのすべての春の日の記憶やあたたかく赤い鼓動に向けて