日報

あるいは遺書

りゅう

春を待つ

夜と朝が愛し合う


声や言葉は最初存在しなかった


地球の公転を肌で感じている


廃墟の教会で


粉々に砕けたステンドグラスが綺麗


君の小さな体から溢れ出した透明な悲しみが


世界中を覆って


街を空に沈める


ふわふわとうつろうもの


金色の風


きらきらと光る埃


私たちはそれを


受け入れなければ


春の匂いが新しい生命を運んでくる


肌の下に張り巡らされた赤く脈打つ五本の指


振動する大地の上に


花びらが遊ぶ


そうか、ねじれながら繋がっているんだ


息もできないほど湧き出すあたたかい水


さようなら


はじめまして