日報

あるいは遺書

りゅう

無題

過去は壊れていく


瓦礫に蔦が絡まっていく


記憶はゴミ箱の中


柔らかな陽が射す楽園で


大したことは何も考えていない


青く透明な水に足を浸すだけ


もう僕はいつ消えてもいい


僕のことを許しても許さなくてもどちらでもいい


君のことを憶えている人もやがていなくなる


木の葉が光の粒を食べる


眠い


金色の季節


君がいなければ未来なんて意味がない


空と繋がる


胎内の夢


泡のように浮かんでは消える色んなこと


森の深いところ


忘れられたピアノ


僕はあらゆることを成り行きに任せて


僕は僕であることをやめようと思うんだ


最初に浮かんだメロディーを口ずさんで


最後に伝えたい言葉はそのままにしておいて


もしも魂というものがあるとするならば


オルゴールの波長で


できるだけ遠くまで飛ばしたいと思う