台湾に行きたい
コーヒーにミルクを垂らす
何を思うこともなく、何を煩うこともなく
窓の外をただ眺める
窓の外の風を読む
空の青にだけ咲く花
黒い鳥の軌跡が導く
埃だけが積もっていく小説の上に
惜しみなく陽光が降り注ぐ
心臓の中のくたびれた部屋に
幼い子供がすやすやと眠っている
誰かに会いたかったし、何かに届きたかったと思う
記憶の痕を君の小さな指が触る
さようなら
青い空に溶けながらたゆたうおっさんの煙草の煙
街に固有の匂いがあってそういうのがおれはとても好きだ
忘れてもまた思い出せるように
写真をいっぱい撮ろうと思います
台湾に行きたい