日報

あるいは遺書

りゅう

オルゴール、凍る夜

もしもぼくが生きていた頃に戻れるなら

もう一度歌いたい

 

まぶたの裏に赤い光

目も眩むようなたくさんの正義

悲しみと怒り

ここから見ると綺麗だ

 

ケーキを食べよう

コーヒーを飲もう

ここにいない者たちのために

祝福を送ろう

夜と朝の隙間に刻んだ文字

雨粒が静寂を舐める

錠剤にパッケージされた安心

大丈夫だよ

人形が踊り出す

日記帳がパラパラとめくれて

君は魔法使い

もう死ななくていいんだよ

もう誰も殺さなくていい

花を飾る

何でもない日に

印をつける

忘れないように

 

季節と季節の交わるところ

ぼくにしか聴こえない声を君にだけは聴いてほしいんだ

どくどく

窓を開けよう

冷たいね

規則正しく

やがて枯れるだけだからここでこうしている

シーツの皺が愛しい

時間が止まってほしい

飛行船だ

オルゴール

凍る夜

目の横の皺が愛しい

時間が止まってほしい

帰ろうか

戻ろう

 

君が考えていることは正しい

間違っているわけがない

できるだけ遠くに行くべきだ

喉が乾いたら水を飲みなさい

魂というものがあるとすれば

魂というものがあるとして

それは多分君のことが好きだから

君のことを損なわないだろう

大丈夫だよ

怖くない

 

傷痕

僕たちのための夜

どうして?

9歳の自分へ

白い壁

綺麗に生きれなくてもいい

ビルに

飛行機が

僕たちは死なない