日報

あるいは遺書

りゅう

あの泥濘を夢に見る

 

私は私を決められない

 

昆虫のように進む

 

誰かの魂が憑依する

 

待ってたのに

 

打ち寄せる波に足首を浸す

 

人類が全員いなくなった後の浜辺

 

ギターの弾き方を忘れる

 

PCの画面は暗いまま

 

心臓が夢を見る

 

江ノ島に行きたいと騒ぐ

 

落ちてしまう

 

起きたくなかった

 

本を散らかして

 

錠剤の夢を見る

 

女の子の夢を見る

 

締めつける

 

考えることをやめる

 

意味がわからないから

 

白いです

 

うたた寝をする

 

遠くで塔が雲を吐き出す

 

あそこまで行こうか

 

いらない荷物を持って

 

知ってる人の名前を最初から最後まで言う

 

これももう忘れ始めてる

 

そちらの景色はどうですか

 

体温のない歌を口ずさむ

 

死ぬまで機能を使っている

 

持て余す

 

太陽の輪がこの身体を焼く

 

それをただじっと待つ

 

どんな言葉もここにはない

 

美しい夢だったという印象だけが残る