日報

あるいは遺書

りゅう

さっさと死んでしまってもいい

 

海岸に打ち寄せる波を見る

 

惑星の公転軌道

 

ひどく怯えた兎のように

 

伏し目がちで老いていく

 

窓の結露を拭う

 

結局ここが一番居心地がいい

 

何一つわからなかった

 

定期送信

 

些細な喜びを集める

 

必死になって集める

 

終わりの足音

 

何か楽器があればいい

 

暗い洞窟の底で

 

汚れた空を手でなぞる

 

郵便屋さん遠ざかる

 

愛も恋も柔らかすぎた

 

液体のように流れ出す

 

俺にできることは何もない

 

四肢がもぎ取れて目も耳も潰れればいい

 

そうなっても何も文句は言えないだろう

 

螺旋を描いて落ちていく遺伝子の配列

 

真っ白な画用紙を好きなだけ汚す子

 

老いた母の印象が目にちらつく

 

心配しないで

 

声が遠ざかる

 

どうにでもなればいい

 

いつも考えている

 

一体怒るほどの価値があるのか

 

岩場の影で途切れ途切れの夢を見ている

 

壊れていく身体

 

誰もあなたの邪魔をするな