日報

あるいは遺書

りゅう

お気に入り


液晶テレビ


夜と昼の点滅


君の顔を見分ける


祠の祈り


蠢き


誰かが誰かを呼ぶ声


水を通して


ふわふわした歌


辿り着きたい


身体をなくして


悪い夢から醒めたみたいに


植物は宇宙を目指す


入れ換わる


白と白の隙間


誰もいない


足裏から伝わる地面の感触


これも形


誰かがあなたを呼んでるよ


何もない宇宙で


遠い昔に刻まれた言葉


炭酸の抜けた記憶


壊れた窓から見てる


地面に映る影


大切にしていた


にっこりと笑う


息継ぎをして


また夏の中へ


電話して


光が砕ける


手と手を合わせる


猫がどこかにいく


空の色がすっと抜けて


じっとしていたい


ほどける


おどける


呼吸の方へ


白いふわふわ


明日はわからない


冷たさも忘れて


合図が成される


確度を積み上げる


ちゃんと寄り添うように


先に行くときはその橋を断つ


渦を持った生き物