日報

あるいは遺書

りゅう

春の迷子

袖が汚れる


蕾のまま


雷雨の帰り道


薄暗い階段を上って


揺らめく旗


幼虫のまま


今度はもう少し高く飛ぶ


子宮の中の空と思う


縄がほどける


澄んでいる


気持ちの悪い朝


何度も今日のやり直し


車輪が廻る


荷物を運ぶ


図形を描く


どこかで見たことがある


意味のない嘘


構成する要素


信じたい人


白い肌が横たわる


何度も吸い込む


流れ星の末路


返事をして


先生教えて


二重螺旋構造がもう一度復元する


そして塩になる


目の前のことだけを描画する


右と左は混ざり合いながら


手を握っていた


木の葉がさらさらと音を立て


春の迷子


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帰るところがないのなら帰らなければいい


あなたの居場所はここだと