日報

あるいは遺書

りゅう

呼びかける

透明の陽射し


満ちていくことしかできないから


形を変えてしまう


階段を駆け下りる


冬の匂いの中へ帰る


手のひら


さようなら


花びらが零れた


誰も知らなくても


美しかったと思う


寂しいと感じる


曲線を描く


何でもいい


小さく、一つ


それを落とす


黒、それか白


あなたがあなたであるように


生き物


ずっと昔からここで


風や波の感触を知っている


内臓は反応する


眠るように


約束を思い出すように


車輪の軋む音


夜から朝にかけて


原色の鼓動


この気持ち悪さを分け合う


細胞の奥深く


いなくなる


冷たくなる


終わりも始まりもなかった


心の中の一番静かな部分に


呼びかける


名前のない感情をそのままにしておく


影も、喜びも


可能なものは全て