日報

あるいは遺書

りゅう

誰よりも居心地のいい沈黙

かなたから


金色の果実のかおり


それぞれのキリエ


孤独の雲の夢


誕生する


痛ましさを包んで


凍る夜の言霊を


堕ちるように昇れ


右と左


細胞があつまる


花を飾って


君だけのために


この場所は壊れない


知りたい


体温と宇宙


膨らんではしぼむ


きらきらと光る結晶


星の周りに言葉を散りばめて


心臓の部屋に入りたい


おかえりなさい


妖精の声


傷の入口


青さを伝える


ノートがパラパラめくれて


お守りのことば


つなげたら


もっとやわらかくなって


弱くなって


一緒にそこにいきたい


誰よりも居心地のいい沈黙


空と海が混ざり合う感覚


記憶の送受信


真っ白な時間


再び動き出す


透明な周波数


カナリアの声を真似て


鼓膜の震え方を憶えて


目に見えないほど小さな欠片


指し示す


ゆるやかに流れる


わらう


体重を預ける


渦を巻くしじま


木々のざわめき


ふと気づく


神さまに愛された子どもみたいに君は


新しい貝殻


着替える


意味や未知を見失っても


ただ両手を合わせるように


旅を続けよう


鳥になって


星になって