日報

あるいは遺書

りゅう

白い虹、青い街

硝子のように静かな木霊 


幸運を捕まえた


しんと耳をすまして、そばにおいで


体温の気配を感知して


この物語がどこへ連れて行くのかまだ知らないでおきたい


羽根が開いたら旅行しよう


小さな翼、ぱたぱた


ゆるやかに、うららかに


さんさんと降る春のまばたきの刹那に


りんごを食べよう


窓が開いたよ


魂の重さを感じてる


神様の名前、知らない、声、もっと静かに


深く深く青、太陽の青


儚い夢の色と色の混ざりあったところ


草原に寝転がって逆さまの宇宙は微笑む


ふと記憶が音を立てて転がった、ことり


白い天使の夕日、飲み込まれていく青い青い


ほら、まだ、今の声、時計の針を刻む、窓の透明の粒、雨の


空の息とだんだん調和させて


はいといいえの間の冴え渡るような、見える?


今この瞬間からどこにでもいける、過去、未来、川だから。会いたいよ。


愛がきらきら、しとしと、戻る、進む


星巡りの歌を歌って、か弱い腕で


抱きしめた後の匂いをたまらなく誇りに思う


歩いていこう


カナリアの声と遠くまで駆けていく子供


白い虹、青い街、息を吐く


ただそれだけなのに、ただそれだけでいいんだ


日常が、日常になっていく、もっともっと


足りない部分を癒す歌を


咲き誇る桜の匂いを、抱きしめたいから、歌になったんだ


君の記憶を愛している


夜が夜のまま形を失った時に列車に飛び乗れ


分裂した月が何もかもを変える


色んな言葉がある、霧が晴れるように


彼方からあなたまで


信号を飛ばして


戦いたくない


不完全な細胞の器


おいしいものが食べたいな


バラバラになったパズルが


音を立てながら、知らせながら


草の香り、ゆれる