日報

あるいは遺書

りゅう

バードウォッチャー

この広々とした風を、色合いを、あなたはもう感じることができないのだよ。だけど、所詮ぼくも死ぬんだし、このままいくしかないよな。華やかな音楽が流れる、束の間の幸福。暴力の川に生まれた、透明な羽の、昆虫。夜に向かって飛んでいく少女。堰き止められない凶暴な。今日も細胞が生き生きとしています、様々なビョーキに抗いながら、恋と革命を、成し遂げる。数が徐々に増えて恐ろしく感じるんだ。お祭りのあとの寂しさの日々。あなたの燃えた身体の身長は何センチだったかな。ふと気になってしまう。どうでもいいけど。冷たい大気をはあってする。スケールの違いすぎる出来事にいちいち翻弄されて、現状維持で精一杯だなんて、みっともないよ。目を閉じると研ぎ澄まされていく、けれどなんだか、今すぐ優しさに包まれたい。どこへ行くの?景色は平等に太陽の光を反射して、吐きそうだ。可愛い音符たちが、関係ない場所で。溶けて消えていくでかい生き物。悲しそうな鳴き声が地球に乗っている。ひょっとしてぼくはものすごく残酷なことをしているんじゃあないのかな。ちらっと掠める運命の先端。因果関係が全くわからない。自動販売機で温かい飲み物を買うだけで良い、そんな季節。ぼくは眠りすぎていた。白い丘がもうどこまでも続いてしまっていて、悲しいことは降る、ゆるやかに。子供の手を引く母親、瞳、強さ。やめていただきたいと思っている、そう思っていることが多い、というか嫌いなものが。それも全部細胞になる、だって息をするたびに食べているから。微細な生き物を、息吹を。知らないところで蠢いているのは何のためなんだ。ラジオで心を読まれたとしても不思議ではないけれど、それを気にしない気が必要だ。切り捨てられない。幻が大きくなったり小さくなったりする。砕け散る子宮の欠片が、刺さっている。やる気を出せ。ぼくは一般人だ。そして東京都民だ。盛り上がる瞬間を待っている。数々の良くないことがマーブル模様の中に溶けて、当たり前のカオスが怒る、怒鳴り声。まさに一触即発。脳みそに海の気配。懐かしくもなんともないどうでもいい記憶の群れが、ひんやりとした空気に乗ってやってくる。小人がとことこ行進して、目指す場所は空の上だなんて、感傷の付け入る隙もなく。青い空が残酷なくらい、あれだ、言葉に言い表せない。だから、なんていうか、もう少し、ゆっくりと、頼むよ、なあ、俺は、今、とても、リラックス、しているんだ。だから、さあ。頼む。どこへでも行ってしまいそうな風。結局は。ハンモックに揺られて。魂が揺さぶられて。ここはどこだろう。右も、左も。妄想みたいだな。ドリームポップだな。記憶には形がありません。目は覚めている。だけど耳が寝ている。削除する予定のものばかりを集めて、焚き火を囲みながら、震える指をこうやって。名前が必要なくなってきた。だんだん遠ざかる古臭い列車に乗って、誰もがカオナシのようになる。もう寝るしかない。数種類の真実がすれ違い、横目でちらりと目が合いながら、スルーして、渦巻きの行列の隙間の黒い街、猫、コブラ、ラッパ。祝祭。大きく弧を描いたブーケが、影をつくって、上から見ている、いつも見下ろしている。さて、どんな風に変形しようか、思案。スローモーション。どこかの穴へ落ち続けながら、パラシュートを広げたい。柔らかな死の匂いがしている。ひとりぼっちでおどけて見せる。みんなどこかへ帰っていく。抗う雲の靄に突き抜けた、巨大なエネルギーの輪っか、リアルな。幽霊がこわいのだと少女は泣いている。半分こに分けた月を持って帰って調理しよう。ぐつぐつ。明日の今日はどこにもない。私たちは触れている。半分の目で見つめているのは昆虫の鮮やかな躍動。塗りつぶせ、白や、青に、繰り返し。回り続け、巡り続け、終わることがない。地獄のような楽園で汗をかいて。じわじわと感動している、あなたは、どこからきたのか、何を見たのか、教えてくれないけど、いい。伝わらないことばかりが積み重なる。よくわからないことばかりが旋回する。とても美しいのは朝。やめて、砕かないで、思い出を。思い出は大切です。思い出が泣いています。思い出が降ってくる。思い出したことない思い出が。向かい続けたい、鳥が飛んでいる、それをただ見つめる、バードウォッチャー。緑の木の緑の呼吸。つまらないとか言わない、一言も、おじいちゃん。周りを見ればいつだって広いから、繰り返し何度も感動している、そういつも何度でも。校内に流れている、誰でも、見たことや聴いたことがある。不思議な荷物を背負って、登ったり下がったりする坂道、獣がうろうろしているけど怖くない、だってぼくたちは優しいから。行列。どこへ向かうやら。お金は持っているのか。少し凍えている。この辺でキャンプしたい。涙を舐めとって、その生々しい温かさに触れて、花が咲いて、いました。たくさんの花が。ぼくはその上に寝っ転がって、よし今から馬鹿になろうと言って、馬鹿になった。だけどそれは最初からあった、最初からぼくの中に。ぼくの中には君がいて、奇妙に笑っている。その奇妙な感じが、違和感が、嬉しくて愛おしい。抱きしめたい、雨の中で。小鳥が歌って、その小鳥が大人になった。おじいちゃん。元気だろうか、おばあちゃんも。やることがなくなってテレビばかり見ていた、おじいちゃんと、おばあちゃん。畑で採れたかぼちゃを調理してくれた。竹を切ってきて、竹トンボをつくってくれた。だけど小学生の頃から歪んでいたぼくは、人間のことを記号化して、申し訳ないと思いながらも、ぼくは自分の目が大切だから。見ていたい。あなたを。聴きたい。さあ、来い。竜巻が直撃。ど真ん中にいる時も平静を装う、そんな大人になる、今こそぼくは。身体に気合いを入れて、いつも試されてるし、いつも待ってる。労働をしながら待っている。だれかぼくを訪ねてきてくれ。だれかぼくに質問してくれ。まだ遅くはない。早くもない。時の流れはいつも不可解で、5歳から時が止まっているといいながら、もう4年も5年も経って、今のところまだ誰も死んでいないけど、ちゃんと気合いを入れていないと、チャクラを張り巡らせていないと、どうなってしまうかわからないから、信念と自信を持て。崩れない。流されない。不思議な力を使うと約束するよ。帰り道がわからなくても泣かないよ。女の子の身体に触ったりしません。夏になったら海に泳ぎに行こう。そして翼を生やして、たいそう涼しい思いをしよう。空はありえないくらい広くて何か言いたいけど何も言えないし、ムカついてる自分が滑稽に見えてきてムカつく、だって俺はムカついてるのに、バカにされている。ノートを真っ黒に染めていた。これからは黒く染めない。青や、緑がいい。染めなくてもいいけど、染めざるを得ない場合には。でも同窓会には行けないな。成人式も行かなかったし。多分その間俺は山に登っている。意味もなくただ山に登っているんだ、バカのように驕り高ぶって。10年後、自分の子供に会いたいと思う。会いたいと思うことに理由はいらないし、理由のない感情こそが暴力であり、光と闇のせめぎ合い。あっペンを落とす。その瞬間に絶望する。花が咲いて、風が吹いて、どこか遠くへ行ってしまう。寂しいと思う。散歩をしようと思う。終わらない。自動販売機が唸っているから、コーヒーを買うべきだ。ぼくはアクロバティックな技を披露できない。ぼくは5階くらいの高さから落ちたら、死んでしまう可能性がある。死神がうろうろしている、姿が見えない以上無視する他はないだろう。そして、ゲージを使い続ける。気付かない。というか関係ない。美味しいもの食べたい。健康になりたい。戦争をしたくない。喧騒が嫌い。瞑想をしていたい。いつでもどこでも何度でも、誰といても、何してても、どんな時もどんな時も。これはサブカルではない。これは重い思い。突き放されて、追放されて、うろうろしている影たちが、何を企てるでもなく、やるせない思いを季節と共に歌ってみたり、祈ってみたりしている、無力な姿。創造力を掻き立てられる。ぼくは君を踏み台にしている。ぼくは君を気付かぬうちに支配している。夕暮れ。子供は一旦家に帰り、車は一旦ガソリンスタンドに寄る。打ち寄せる波、こんな都会でも聴こえないことはない。だって影響は免れないからね、結局は。ああ、生き物になりたい、もっともっともっと。不足しているんだ。そしてじんじんと痛むんだ。歯医者が必要だ。心の歯医者が。汚れた魂を剥き出しにして、崖っぷちをよじ登りながら、大声を出して威嚇をする。裸になってもエロくはない。うんこをするくらい正しい真実。なんでもかんでも破壊する。やけくそになってしまっている。巻き添えが多くなる。またここも出て行こうか。旅人になるしかない。無音を望んだ結果、耳鳴りがうるさい。だから、君のその静かな喋り方が、恋しい。蝶のように咲いて、花の蜜をちゅうちゅうして、またどこかへ風に飛ばされて、学習を削り取って。温度は同じだけど。大切なことは地面に立っていることで。空は飛べない。栗でも拾っておけ。