日報

あるいは遺書

りゅう

水彩絵の具のようなこの世界の具材をぐつぐつ煮込んで調理したい

夏の気配を残している繋ぎ目の香り、僕は僕のまま風景に溶けていたい。何も変わらないのならのんびりとした休日を過ごしたい。ゴミを捨てにいく山に残って、虫や草や果物の匂いに抱かれて。100年の成長を1秒にカットして、カットインする。短編映画のように毎日は1話完結型で。毒を吸って吐いて、ただちに影響はないまま、わけもわからずに選択を繰り返して分岐していくけど、それを感覚しなくてもよい。なぜなら今は、今だけは許されている。過去も未来も決して許されることはないけど、今は、今だけは言葉を失った言葉の中に沈んで。イデアの影が愛しいよ。輪郭をはっきりさせないことに大切さを溶かして、水彩絵の具のようなこの世界の具材をぐつぐつ煮込んで調理したい。わくわくすること、どきどきすること、少しだけ吸収。気持ちが溢れてくるとどういうわけか電車に乗っていく、遠くへ行くための青春のような感触。女の子のことを絶対的に正しいと感じることは危険だ、きっと不幸なものとそれ以外のもののバランスがある。骨折をしてしまい、後始末が大変だった。大人の世界にはよくわからない模様がぐるぐると渦巻いて、ここにいる全員が酔っている。僕はいつでも目を覚ましていたいのだ。だけど、眠ったり起きたりしなくちゃいけなくて大変だ、それだけで体力を消耗してしまう。だけど、現状維持だけの人生なんてつまらない、太陽まで突き抜ける細い細い槍を解き放って。気分が悪くなって細胞が壊れても、いつか重力のないところまで行けるから。速さの中で目覚めたいのだ。ほら、あの人あんなに速いよ、と言われたい。空気の振動が心を伝えてくる、ビンビンに。やめろ僕を見るな、いや、見てください。その中間にある言葉にならないそれを歌にしたいのだ、だから最終的には見てください。刮目してください。舌を出しておどける。くだらない子供の顔のまま、こうやってジャンプして月まで届くよ、誰も見ていないけどな。奥底から、月まで、実は案外大した距離ではないんだ。蝶が不安定な軌跡を描いているから。枯れ葉が大きく空いた谷の口へどこまでも落ちていくから。広い場所に出たい、視界が開けた気持ちのいい場所へ。どうしても無理なことをごり押してごり押して、必死に汗をかいているのは馬鹿げているのか?光のエネルギーで、気楽に生きたいと思った。だけど俺は闇のラッパーだ。夜は眠れなかったり、逆に眠りすぎてしまったり、どうしてもちょうどいい具合にいかないし、だんだん怒りが溜まってきてどうでもいい人にどうでもいい顔を見せてしまいそうになるよ。野菜だと思えばいい、全ては野菜だと。僕は風邪をひいてるんだと。風邪をひいてても俺が最高であることに変わりはないだろ。とにかく、時間がないんだから、早く誰か僕の中に入ってこい。そして、一番伝えたい言葉を、その一行だけを、このシナプスに刻みつけてくれ。季節が巡っても、上から下まで落ちていっても、変わらない手のひらの魔法。考えている、ぐるぐると渦巻いている、ひらひらと風に舞っている、存在感を、もっともっともっと欲しいんだ、その巨大なエナジーに同化していきたいんだ。果物をたくさん食べよう。幸福なひと時を、その日差しの角度を、どんなに寒くてどんなにお腹が空いていても、すぐに思い出せるように。怒りや悲しみに飲み込まれてしまわないように。そのグロテスクな巨大な口。だけど命は惹かれている。虫のような人生を虫のように、光に向かって真っ直ぐ飛べ。ゴミ箱の中の飛行船、夜空の下の反射する銀河、飛べ、飛び立て。過去現在未来を飛び越えれば、まだ遅くはない、何も終わっていない。よろしくお願いします。空に頼んでいる。神にじゃない、今ここにある空に。心は子供のまま、グロテスクな遊びを覚えた。愛とか憎しみとか感謝とか怒りとかが丸ごと違和感に飲み込まれる瞬間、それでも折れない巨大な勃起した歌を僕は歌いたいんだ。そしてお金をください。お金を払ってください。何故なら、疲れるから。仕事だから。本当に。そう思っている。俺は。負けない。めげない。思っているし思い続けている。淡さが合わさって闇夜のモンスターになれ。心の出血を待っている。勝てない、大きな何か、に、立ち向かう、瞬間を切り取って、空へ昇華して。抗える魂がここにあるならばそれでいい、承認する、それを抱きしめる。自分で自分を抱きしめろ、頑張れ、マイクロフォンの中からさぁ、この先は言わなくてもわかるだろ。情景と音を浮かべてみる。嵐になる。友達になれるかな。おかしいな。傷跡の虹を見せて。待ってる。行くぞ。光の筋。目の中に。巻き上げて、巨大になって、見かけからしてもうやばいよな、夢の中で懐かしい人とありえない会話をするんだよ。それはすぐそこにある。だって今はここじゃないか。人間には心があってそれが空間に溶け出している。パステル絵の具、水彩絵の具、認識している主体は君で、その裏に隠れた真実は常にいざなっているということに、気付いていたい、いつも何度でも。宗教だかなんだか知らないけど、怒りや憎しみは止められますか。ただここにいるだけで歌が溢れ出すように、世界中に滴り落ちるように。諦めの黒い灰。後ろ向きな原動力が、それでも原動力として機能するなら、大切にしたいし大切にしてくれ。顔の半分が死んでいる、だけど俺には意識があるし、記憶もあるぞ。これでいいのか、本当によかったのか、いつもぐるぐる回って巻き戻して引っ掻き回してこねくり回して、結局眠るだけの毎日で、アルバイトの機械と化して全てを断ち切る惰性のニルヴァーナ状態。ヒッピーになって自給自足をしても、きっとつまらないし、寂しい。旅に出たって行き先も居場所もない。無関係にくるくると回り続ける化け物の手のひらの上で、自分の手のひらを重ねてみても、圧倒的なスケールの違いに断念せざるを得ない正常な営み。寝顔が好きだ。笑顔も。遠くまで行けたか。満足できたか。美味しいもの食べて、なんとなく思いを馳せてみて、なんでもいいんだけど、淡い風景をぼんやりと眺めて、それが幸せなのに、それでよかったのに。お金と時間と生活だ。わかるだろ。わからない。小学校のグラウンドに無限があった。僕は無限と仲良くなかったけれど、それでも少しだけ触れたのか、それは記憶の変な染みか。壁の染みを数え続けるだけなんて嫌だ、どこかに行きたい、誰かに会いたい、生きてる誰かに。だから血を流して教えてくれ、生きているかどうか、一目見てわかるように、痛みという絶対的な真実を掲げて。血を流してる人が好きだよ。苦しんでるけど何も諦めてない人を愛している。時には叫ぶことも必要だろう。それを誰もわかっていない。時には服も脱がなきゃいけないけど、誰もそれについては触れない。誤魔化されている。だけど誤魔化してもいい、本当の瞬間をくれ。夜明けの中で。夜明けの中に入って。夜明けの向こうに貫いて。たくさん散りばめられている。夢、幻、嘘、その類、全て、美しいもの、醜いもの、全て。