日報

あるいは遺書

りゅう

魔法使い

急に切なくなって


明後日の方向を見ている


壁が雨に濡れる


トンネルの奥深く


鳥が逃げる


影が横切る


会釈


橙色の街灯


ここにいてはいけない


空も大地も全部抱きしめる


吐いた痕


響きが好き


誰かが呼ぶ


身体中の感覚を使う


本を読む


ゆっくりと終わりに近づく


あれは夢?


時空が曲がる


粒子が呼吸している


きらきらと


通り過ぎて


遠のいて


回転して


抱っこして


駆けて


恋をしている


風景が滲む


ずっとここにいたかった


炎を灯して


鍵盤を踏む


小さな魔法使い


さようなら


あなたはそれだけを言う


不意に身体が浮く