日報

あるいは遺書

りゅう

ここから一番遠い場所

枝分かれしていく


友だちの記憶


水面が脈打つ


窓を開けなきゃ


空が近い


手のひらからさらさらと


光り


季節の始まり


冷たい色のプリズム


浸透していく


終わりのない螺旋階段


勝手に生きて勝手に死ぬ


息をして服を着て


魂の振動


耳鳴りのずっと奥


会いに来て


すり抜ける


いつもここから一番遠い場所を目指した


願いは形を歪める


水分子の結合


いなくなる


そうする


公転周期を12で割る


振りほどけ


頭の内側を駆ける


狭くて息苦しい地下で


踊り疲れて


あの橙色に照らされる


また飛行機が飛ぶ


名前は必要ない


移動し続ける


日々が過ぎる


まだ行ったことのない場所に行き


まだ読んだことのない本を読む