日報

あるいは遺書

りゅう

変な歌うたう


帰り道


小石を蹴る


知らない場所に繋がっている


宇宙


こんなに赤くて


どれほど待ちわびただろう


何も聞こえない


この爆撃じゃ


身体もばらばらになって


声も


痛みすら思い出せない


回転する一つの欠片


最後に残った温かさは


誰のために?


白い夢を見ている


膜の外側はぼやける


太陽が眩しい


駆けていく子ども


寄せては返す海


誰でもいいよ


糸をほどいて


岸から離されていく


信じても信じなくても


鳥のように魚のように


帰りたい


透明になる


未来と過去を重ね合わせる


よく生きた


誰かが誰かを包みこむ


どんな願いもここでは叶う


もう皮膚は必要がない


でも懐かしい


柔らかいピアノの連続が微睡みを静かに揺らす