日報

あるいは遺書

りゅう

2021/5/1記録

8:00起きる。晴れ。コーヒーを淹れ洗濯機を回す。ウェザーニュースちょっと見る、担当はゆかりん。番組表を見てムーンの担当はさやっちということを知り、夜は早く帰ってこいと言われている気分になる。洗濯機がピーと鳴る頃には奈緒が起き出し、ハチドリに光を当てる。ヨーグルトを切らしてしまい、朝食はバナナのみ。9:00ちょっと前ゴミ収集の音がし、燃えないゴミの袋を持って奈緒と外に出るが、時既に遅し。ゴミは奈緒に持ち帰ってもらうことにして、マンションの前で奈緒と別れ駅に向かう。
Marcus Fischerのmonocoastalを聴きながら電車に揺られ、目を閉じる。穏やかな日和に包まれ瞑想的な状態となる。読みかけだったHさんの小説を読む。ちょうど最後まで読んだところで東高円寺に到着。
10:10頃、改札を抜けて地上に出るとN、Tさん、Kさんの3人が既に揃っている。Kさんに髪あまり伸びてないねと言われ、そうかなぁと言う。前回この公園で集まった時から約一ヶ月が経過したことを思い、さらさらと風にそよぐ木々の緑が眩しいと思う。
公園の奥へと歩いていき、池が見えてきたところで、早速鴨の親子がぷかぷかと泳いでいるのを発見し、NとTさんがかわいい~と歓声を上げる。赤ちゃん鴨は全部で12羽、母鴨の周りをうろちょろとしながら、何やら木の葉を突っついたりピヨピヨと鳴いている。昨日今日孵化したばかりということで、とても小さく、「雛」という言葉のイメージそのまま。池の周辺にいる誰もが柵に張り付いて鴨の親子の様子を観察したり写真を撮ったりしていて、みんなのアイドル。まだ生まれたばかりだというのに忙しなく元気に泳ぎ回っていてすごい。父鴨は子育てには参加しないらしく、ちょっと離れたところでぼーっと浮かんでいる。群れから離れた雛が群れに追いつくためにダッシュで泳ぐのが可愛い、しかも結構速い。りゅうと髪型が似てるねと言われ、そうかもしれないと思う。母鴨が子鴨を置いてどっかに飛んでいったりしてひやひやとする。縄張りに入って来ようとする他の鴨を父鴨が追い回しているのを見て、父鴨は父鴨でちゃんと仕事をしている。そんなこんなで小一時間ほど鴨の生態を観察。
鴨だけでなく、野鳥クイズがNから出題されたりもした。ピャーとうるさい声で鳴くのがヒヨドリ、くちばしと足が黄色いのがムクドリ。首のとこが黒いネクタイみたいになってるのはシジュウカラ
Kさんがこの前雑貨屋さんで買ったという鈴がシャンシャンと結構でかい音を立てていて笑ってしまう。お遍路さんの杖のよう。
この前行けなかった屋上に昇ろうということになる。環七に面した10階建てのマンション。Nは下から写真を撮るということで地上に残り、3人でエレベーターに乗り込む。9階で降りて非常階段に出る。非常階段は劣化しているような感じがあって3人で乗るとかなり怖い。10階まで上がって下を見下ろす。この高さなら死ぬなと思う。安全な領域から離されているという感覚を少し意識する。歩道橋からNが手を振っているのが見える。背後には団地のような形をした何かよくわからない廃墟のような建物が何棟か連なっている(調べてみると都営高円寺アパートという名前で、今は住民は全て立ち退きを終えていて、1階の店舗テナントエリア以外は廃墟と化しているらしい)。屋上に続く柵は施錠されていたが、乗り越えてくださいと言わんばかりの低さで、簡単に向こう側へ行ける。屋上のしっかりとした土台の上に立つと、非常階段よりも安全であると感じる。後からTさんも柵を越えてやってきて、一緒に景色を眺めた。この辺りでは一番高い建物のようで、街の全てが見渡せる。絶景と思う。気持ちがいい。高円寺は結構緑が多い気がする。遠くに高層ビル群があり、スカイツリーもかなりはっきり見える。屋上の際まで寄って行って下を見下ろすと、マンションの一室の庭があり、落ちても助かりそうだと思う。Tさんがあの階段いいねと言って寺の横の薄暗い階段を指さす。ひとしきり堪能して非常階段の方に戻ると、いつの間にかNも来ていて、また非常階段から遠くを眺めた。Kさんは非常階段の劣化具合を案じて柵の前のコンクリートのところにいた。Nの髪に虫が止まっている。Nが遠くにうっすら見える煙突を指さしてあそこまで歩いたんだよと言う。地理的には高井戸で、25000歩歩いたらしい。さっきNがいた歩道橋のところで何かの撮影をしている男女がいて、その様子を上から眺める。ミスidの人かなとN。下を通る人たちはただ前だけを見ていてこちらの存在に気付く様子はなく、神になったような気分になる。Nがここからだとミニカーのように見える車を指でつまんでどっかに投げる仕草をする。
次の目的地は駒沢大学。駅へと向かいながら、Nがこの前バイト先で出会ったかよこさんという不思議な女性の話を聞く。不思議な話は大好きなのでかなり食いつく。このような話を実際に耳にすると、超能力とか心霊現象みたいなのって本当にあるのかなぁという気がしてくる。
地下鉄に乗り、新宿三丁目、渋谷と乗り継いで、駒沢大学駅で降りる。後ろで13ヶ月ぶりに再会したという女子二人が東北弁で会話しているのを聞くともなく聞きながら、歩く。この辺すごい懐かしいみたいなことを言っている、駒沢大学のOBだろうか。
大通りから外れた少し寂しいところにあるピキヌーというタイ料理屋に到着。隠れた名店といった風情。カレー好きのKさんが今まで食べたカレーの中で一番美味しいカレーということで期待値が上がりまくる。Kさんは電車に乗っている時もカレーのことを考えてよだれが出てきたと言っていた。昼時ということもあり混雑している。列の最後尾に並ぶ。シーンと静まり返っていてラーメン二郎のような圧があり、ちょっと怖い。並んでから1分と経たずテーブル席が空いたようで、他の方々を抜かす形で店内に案内され、ラッキーと思いつついいのかなという気になる。店の一番奥、窓際の席に案内される。店内には魔術的な音楽が流れ、東南アジア風の妙な置物が所狭しと並べられている。時折風が吹き窓辺の風鈴がちりんちりんと気持ちのいい音を立てる。Kさんのおすすめはカントリーカリー、なにはともあれまずはカントリーという感じなので、全員カントリーを注文した。他のお客さんの注文も、圧倒的にカントリーが多いようだ。俺とNはラッシーも注文。ほどなくしてカントリーカリーが4つ運ばれてくる。Kさん曰く「ちょっと癖のあるおばちゃん」の店主の奥さんから、卓上トッピングの青唐辛子について、「とても辛いから気をつけて、かけたら絶っっ対に残さないように」と注意を受ける。Nは笑っている。辛いのが得意なKさんはライス全体に青唐辛子をどんどん置いていく。カレーにはなす、えのき、ヤングコーンなど具だくさんで野菜たっぷり。ルーはココナッツミルクを使っておらず、スープカレーのようにさらさらで、スパイスが爽やかに香る。このスパイスが何とも言えず絶妙で、今まで食べたことのないような新鮮な味わいで驚きがあった。食べログのレビューを見てみると「中毒性」という単語がやたらと目につくが、よくわかる。コアなファンが多いのも頷ける。家の近くだったら絶対通ってた。思い出したらお腹空いてきた。辛さは7段階中2だがそれでもそこそこ辛い気がする。恐る恐る青唐辛子を3個くらいライスに乗せてみる。噛んだ瞬間に一気に口の中に爽快感が突き抜け、夏が弾ける。強炭酸のジンジャーエールを海辺で一気に飲み干した時の気持ちに近いかもしれない。それからすぐじわじわと、はっきりとした辛さが立ち上がってくる。顔が熱くなり、舌がぴりぴりと痺れて痛い。そこまで激しく辛さがあるのに辛味に味覚を全て持っていかれるわけではなく、ちゃんと旨味を感じられるのが感動的。「辛い」という感覚を好きになりそうな気さえした。すぐにハマって追い青唐辛子をした。全部食べ終えた後には少し身体が元気になった気がした。ここに足繁く通っている人々はきっと長生きできるだろう。最高だった、Kさんありがとう。Kさん癖のあるおばちゃんに「久しぶりだね」と声をかけられている。
二子玉川までちょっと距離あるけど歩いていこうということになり、せっかくなのでオリンピック公園を通っていこうということになる。Kさんを先頭に住宅街を歩いていく。Nが道で突然出前館のCMの物真似をし始めて、あまりにも唐突だったのでびっくりして微妙な反応をしてしまう。今思い返すと結構笑える。春はその辺で色んな花が咲いていて面白い。野花の写真を撮ってアプリで調べてみる。白く垂れ下がった花びらの先端が唇のように赤く染まっている花は「チェリーセージ・ホットリップス」。イメージと違うとNが笑う。セクシーだねとTさんが言う。ギラギラと太陽が照り付けて暑い。風はひんやりしていても日差しはもう夏。上着を脱いで半袖になると、半袖似合うねとKさんに言われる。オリンピック公園、広すぎて全体像がよくわからない。とりあえずスポーツ全般ができる。オリンピックというから最近できた公園かと思っていたけど、実際見てみると普通にボロく、1964年のオリンピックの時からあるらしい。ランニングの方々大勢。風が吹くたびに木々から何か小さな実みたいなものが降ってきて、各々の髪に付着する。木々の緑が眩しく、木漏れ日がゆらゆらと揺れる。葉っぱの写真を撮ったりしている間にみんなはどんどん先に進んで、そんな後姿をぼーっと眺めているとまるで夢か幻を見ているような気分になる。Hさんから二子玉川についたと連絡、歩いて行くには時間がかかりすぎるので駅まで引き返すこととなる。駒沢大学の敷地内にある大きな木を指さしてNが突然「インコだ!」と大声を出す。全員その姿を認めたようだが俺だけ見えず。元々は飼い鳥だったインコが野生化し、近頃は都内でたまに見かけるほどに繁殖しているらしい。強かだ。10年後か20年後にはすずめくらいよく見かける鳥になってるかもよとNが言う。
電車の中で、送ってくれた曲聴いたよとN。不穏な曲調の中にも不思議と優しさを感じたというようなことを言われ、そのような感想は全く予想しておらず不意を突かれたような気になる。優しさだなんて思ってもみなかった。自分でも知らない自分の一面を見出してくれたような感じがして嬉しかったし、そう感じたことは一度や二度ではなく、Nはいつも自分の思いもしなかったような良い面を見つけ出して広げてくれると思う。Nありがとう。
二子玉川駅下車。意識してそうしていたわけではないが、なんとなくいつも最後尾を歩いていた、がここでNに後ろを取られ、後ろっていいなぁと言われる。
駅前でHさんと合流。花柄のワンピースを着たショートカットの快活な女性、というのを勝手に想像していたけれど、どちらかというと落ち着いた男性であったので予想を裏切られる。KさんもHさんもSNSと現実のイメージが違いすぎると思う。KさんとHさんは同い年らしい、二人並んでいると知的な雰囲気というか、大学院生のような感がある。
コンビニに寄り、各々お茶割りとかを買っていたが、俺はこの間の反省もあり酒に嫌気が差していたので、ホットコーヒーを購入。歩いて河川敷に向かう。お茶をこぼしNにティッシュを貰う。
河川敷にはファミリーの大群、多分どこよりも混雑している。コロナ禍で遠出を諦めた人達が近場で我慢しようということなのだろうか。シロツメクサや野花が咲いている原っぱの一角に居場所を見つけ、Nが持ってきたレジャーシートを広げようとするも、強風によりレジャーシートに踊らされる。散々格闘しながらやっとこさ広げることに成功し、輪になって腰を下ろす。N以外は自分も含め全員輪の端っこで静かにしているタイプのようで、ほどほどに盛り上がったり沈黙したりする。この活発ではない感じ嫌いじゃないなと思う。Kさんはそばに立ってシャドーピッチングをしている。Kさんはあんなに野球のことばっかり言っているのにグローブを持っていないらしい。Tさんは草を触っている。原っぱでは誰もが楽しそうに笑っていてのどかで平和な風景が広がっている。天国みたいだねぇと誰かが言ったので、死んだのかな……と言ったらウケた。Nにバンドが終わった理由(推測)を聞かされ少し考え込む。Kさんお茶割りのお茶割りを作っている。Kさんのシャツの下から長袖が出てきて爆笑。夏は好きかという話になりHさんが「暑いの以外は全部好き」と言う、その斬新な返しに大笑い、なかなか印象に残っている。小一時間ばかりそうしているとだんだん曇ってきて、上着を着ても肌寒いと感じるようになってくる。台風のような風がびゅうびゅうと吹き荒れ、怪しげな雲が立ち込める。その場に留まることが難しくなってきて、ちょっと歩いたところに遊具があるというのでとりあえずそこを目指してみることにする。レジャーシートがもはや暴風の風に煽られて龍のように暴れまわり全然畳めず、N再びレジャーシートに踊らされる。
飛べそうなほど強い風。明らかに雲行きが怪しく、さっきまでその辺でピクニックをしていた人たちも、そそくさと退避を始めている。少し歩いたらすぐ大粒の雨がぽつぽつとし始め、慌てて橋の下に避難。しかし風が強く横殴りの雨が吹き込んできて、橋の下にいるのが全然意味ないくらい普通に濡れる。雨は好きなのでテンションが上がって、いいぞもっと降れと思う。DQNの方々も雨ではしゃいでいる様子。行き場所に困ってとりあえず駅の方を目指すこととなる。いつも折り畳み傘を持ち歩いているのに、こういう時に限ってない。Hさんが傘に入れてくれて助かった。Hさんの傘折り畳みにしてはでかい。だんだん本格的な降りになってくる。シロツメクサで編まれた花冠が階段のところに落ちている。木々の生い茂る下を歩いていく。体育座りでうずくまって落ち込んでいる風の謎の銅像の頭を、Kさんが慰めるように優しく撫でる。Hさんと、W大学のGさんの話で多少盛り上がる。
駅に到着。とりあえず駅ビルの最上階に行く。トイレに行く。Nがまだ戻ってないのにKさんすたすたとどこかに行ってしまう。特に興味を引くものはなかったようで再び1階に戻ることとなる。外の景色が見えるタイプのエレベーターで、Nがはしゃいでいる。最初ギャグでやっているのかと思ったけど、どうやら本気ではしゃいでいるらしい。
雨はいつの間にか上がっている。緊急事態宣言を受け封鎖されているエリアにKさんがすいすいと入っていく。面白そうなのでKさんについていくことにする。渡り廊下を通って道路の向こう側に出れるようになっており、TさんHさんNは普通に下の道から信号を渡ってどっちが早いか競争ということになる。チェーンを乗り越えて止まっているエスカレーターを上る。急にシーンと静まり返り、廃墟のよう。「なんだか変な感じだね」とKさん。確かに、通りを見下ろすと街は賑わっているのにここには誰一人いないというのが、何か異次元に迷い込んでしまったような不思議な感覚になる。渡り廊下を渡るとちょうど同時にTさんHさんNが信号を渡ってきて、上から手を振る。こちら側にも駅ビルがあり、エレベーターがあるのでそこで合流しようということになり、Kさんがみんなにジェスチャーで伝える。その動きがコミカルで面白くてちょっと笑う。伝わっているのかどうかわからないままエレベーターのある方へ向かう。薄暗いフロア、テナントは軒並み閉まっている。エレベーターは電源が切られているのか、ボタンを押しても反応はない。普通にエスカレーターから降りるしかないか、ということで、止まっているエスカレーターを下りチェーンを乗り越えて道路に出て、みんなと合流。スリルがあって楽しかった。それにしても、Kさんはこういうことをよくやるけど、警備員とかに見つかった場合はどうするつもりなのだろう?とりあえず平謝りするのだろうか?
Kさんを先頭にまたそぞろ歩き。どこに行くのかもわからずとりあえずついていく。散歩同好会みたいだなと思う。雲間から顔を出した淡く柔らかい日差しが、雨上がりの路面をほんのり白く照らす。風が涼しい。あそこ行きたいなと行ってKさんが指さす、恐らくまたコロナによって封鎖されている場所で誰一人歩いていない。建物の前まで来たところで厳重に施錠されているのを見てKさん悔しそうにする。二子玉川にかかる大きな橋を一列になって渡っていく。橋の上では更に強い風がびゅうびゅうと吹き荒れる。楽しくなってそこそこでかい声で歌を歌ってみる。声はすぐに風にかき消されて誰にも気づかれない。こんな風にミュージカルのように歌いだす夢を最近よく見るので、夢の中にいるような気分になる。橋から下を見下ろすと、河川敷には再び天国が出現している。キャッチボールする青年、フリスビーするカップル、犬を散歩させる女性。橋は巨大で、かなり長いこと渡っていたような気がする。
反対側の河川敷に出る。草野球場があり、Kさんマウンドに立ってエアー投球。ボールが見えたとN。階段に腰を下ろす。今日はとてもよく歩いた、足が棒のようになっている。Hさんが煙草を吸っていいか聞き、Hさんが喫煙者であるということを知る。いつもこういう時だけ煙草を乞食している俺とN、2人して煙草ください!と詰め寄る。キャメルのメンソール、喉がスースーする。久しぶりに吸う煙草はおいしい。しばし良い時間が流れる。吸い終わった後、もう1本いるか?とHさん。餌付けの様相。後ほどくださいと言う。Hさんが薬を飲み忘れると出てくるHさんの頭の中にいる人の話が興味深い。話し合えば友達になれるんじゃないかと思いそう言ってみるが、死ねとか言ってくるらしく交流は絶望的のよう。Tさんがみんなそれぞれの人生を生きている……というようなことを言い、全くそうだと思う。人の脳の中は宇宙だ。Hさんおすすめの舞城王太郎の短編を読書メーターの読みたい本に登録する。今度みんなで長野のNの実家に遊びに行きたいという話をする、実現したら嬉しい。夕日見れるかなとNが言う。西の空は霞んでいる。もう17時だというのにまだ充分に明るい。日が長くなったものだと思う。とはいえ気温も下がってきて、日陰にいると肌寒い。河原の方はオレンジ色の西日が差していて、暖かそう。
Hさん、ぬかるんだ茂みを越えて河原の方へ歩いていく。Hさんをみんなして追う。西日に照らされながらみんなの後姿を遠目に見ていると幸せを感じる。セロトニンが脳内で湧き出しているのがわかる気がする。酒を飲まなくて正解だと思った、酒を飲むと酒のマインドになってしまうから。河原の石の間からいきなり生えている花、あまりにもたくましい。川に石を投げたり水切りをして遊ぶ。川面を流れていくゴミにHさんの投げた石が見事命中、すごい。Tさんのコントロールがめちゃくちゃすぎて真横にいる自分の方へ石が飛んでくる。しばらく水切りをしていると河原に落ちている平らな形状の石がやたらと目につくようになってくる。手首と肩をかなり消耗する。川向こうではパリピの方々がレイブを開催していて、ウーハーから流れる大音量のダンスミュージックがこちらまで届く。Kさん、橋のたもとに流されて集まったであろう枯れた植物の山の中からひと際背の高いものを手に取って遊んでいる、子どものよう。
二子新地駅の方へと向かう。かなり肌寒く感じコンビニでクラムチャウダーのスープを購入。別れるのが名残惜しく、暗くなるまで遊ぼうと言う。ファミレスにでも入ろうかという話になったが、晩ご飯は家で食べるつもりだったのでどうしようかとなって、Kさんが「公園行こうよ公園公園公園」と言ったので公園に行くことになった。Kさん列の最後尾に来て「やっと後ろに来れたよ」と言う。続けて「ずっと前ばかり歩かされて憤慨してたんだよ」と言い、憤慨wと思う。5分か10分くらい歩いて住宅街の一角にある小さな公園に到着、Kさん楽しそうにブランコを漕ぐ。木に殺すとかの文字が彫ってあり怖い。「さすが川崎市の公園だ」とKさん。Hさんに煙草を恵んでもらう。Nがパイの実のプリン味を持っていて、1個貰う。でかいパイの実の話をする。HさんNと3人で料理の話などをする。赤味噌今度買ってみようと思う。だんだん暗くなってきて電灯がつく。Kさんブランコの支柱を使って懸垂しようとするができなくて悔しがる。鉄棒で逆上がりはなんとか成功。Tさんも前回りに成功。
18:30頃、そろそろ帰るかということになる。へとへとだけれど、酒を飲んでいないので体調が良い。てっきり俺が帰った後も遅くまで遊ぶのかと思っていたけど、みんなここでお開きという感じらしい。自分以外は全員反対方向の電車なので、全員に見送られバイバイする。送別会みたいだなと思う。何回か振り返って手を振る。ベンチに座って電車を待っていると、なんだか急に世界が静かになったように感じられる。電車に乗っている間にザーザーとかなりしっかりとした雨が降り始める。19:30頃町田到着。濡れながら帰る。これほど本格的な雨に打たれるのは何年ぶりだろうと思う。気持ちがいい。恵みの雨、という言葉を思い浮かべる。空を見上げると、暗い空の彼方から視界に目がけて、次から次へと雨粒が落ちてくる。しばらく上を見ながら歩く。すると突然、空を切り裂くようにパッと稲光り、数秒遅れてゴロゴロと地鳴りのように雷が鳴る。歩いているうちに雨脚は強まり、ずぶ濡れとなる。
晩ご飯はクリームドリア、奈緒が作って待っていてくれていた。とても美味しい、奈緒ありがとう。毎度のことながら、帰る家があるというのはいいなあと思う。風呂に入る。風呂上りにキウイ、食べごろおいしい。奈緒が12個くらい入っているでかいパックを買ってきてくれていた。奈緒ありがとう。ウェザーニュースムーン途中から見る。さやっちが気象情報を伝えている。全国的に天気が悪いためかいつもの緩いお喋りはなく、少し緊迫した雰囲気。全てのマスを埋めろのコーナーも今日はやらなかったらしい。22時か23時頃になるとだんだん雨脚も弱まってきて、やがて止む。