日報

あるいは遺書

りゅう

崩れていく風景の中で


白い服を着て


虹の外側が温かい


真夜中に目覚めて


綱渡りを続ける


大きな声で呼んで


もう一度届く


もう一度開く


闇が闇に飲まれる


またそんな言葉の使い方で


傷痕が雨に濡れる


電話ボックスの中で


トンネルを抜けたら


そのことを誰かに教えたい


慈しみの涙と


鍵を許すための仕草


あまりにも甘い匂い


水を含んでいるから


子どもになることもできるよ


小さな光の粒を呼吸して


空欄を埋めていく


走っていく


一番最初の風が吹く


夢の中で捕まえた


もういなくなった人の影だけがここに


虫取り網の中に


嘘のカレンダーをつくろう


新しい組成の生き物


海を見れる?


きっかけさえあれば


どこかで繋がっていたい


言い訳ばかり上手くて


嫌なことばかり思い出してしまって


冬の日の太陽が眩しい


歩いていこう、泳いでいこう


変わり果てた場所に


意味ない歌


さようなら


まだ早い?


地球は加速していく


誰もいない遊園地に行こう


木の葉がざわざわとこすれて


使い古した温かさ


小さな歩幅で


橙色が追いかけてくる


違うことばかり考えている


そうやって消えていく


だから耳を澄ませてみる


摺りガラスごしの影


愛に抱かれたい


まだわからない