日報

あるいは遺書

りゅう

ああ、と発音しては

匂い


果てなく


揺らぐ風


てんとう虫


いつもいつと


記憶の戻り


ヒントをください


いちいちこのまま挨拶が神


見覚えのある柱


転がっては手を消す


削る守り町


間を深く不安に観察する


手をもっと静かに


広い階段の戻れない記憶の彼方から


アスファルトがじんじん産声を上げる


くだらないのに


変てこな形の言葉遣いで見上げる


赤みの差したUFOみたいな


このままどうして


存在が存在であることの条件反射


円でしかなかった


破壊の限りを尽くしていた


全力で振り返ってこの身体を使うということ


夏が追い越しては本棚が目に入った


意味をおいて


犯罪者の盛りをそんな幽霊の


ように見たいつの飾りつけを高い


羽ばたくのが


羽化するのが丁寧に


この文章を最後までする、今はそれだけ


ああ、と発音しては


見覚えのない


順番にやっていくんだ、壊れるまで


手に手を重ねて


いつの影かわからなくなって


毛糸を


紫のままいつまでも巻き取る


動作が動作として奏でながら重ねるから


また宇宙のことを考えている


本当はどうでもいいのに


だから発音をしないと気づかれないから


朝から


タイムマシンがあれば


それをひねり潰したい


命の終わりに意味を見出すことはない


終了したら


階段を昇りたい


屋上で


野菜を


沈黙の


海へ


敗退した


ままいたからそんな風に耳を切って


部屋から出ることがない


夕日を見ることがない


影を切り離すことがない


重力を感じることがない


そしてその繋ぎ目を不思議だと奏でる


神様が神様になった日に


公園を散歩した


木々の間から陽光が射していた


ほとんどもう残っていないペットボトルを


俯いて、花のようにね


歌った


貝殻を順番にやっつけていけば


ああ、痛い


痛みと悲しみは違う


危機を通過した笑みを戻れないのに


続くぐるぐる


もういいじゃないかと


トイレの前で呟く


何もおかしくはない


橙色が怖い


誰も存在しない