日報

あるいは遺書

りゅう

この星を静かに満たす響き

水の声


ひらひら


手を繋ごう


揺れる花


深く、深く


トンネル、海


道の先へ


光の質感


交互に踏み出す


命を食べる


透明な歌


物語を通過していく


魂は共鳴する


変化してしまう


手のひらをすり抜けて


零れ落ちる


あ、という間に


今の洪水


風が吹く


どこからきたの?


耳を澄ます


記憶を映す鏡


影を踏む


知ってる匂い


木立のざわざわに包まれる


再び帰る


わかる感覚


やわらかい


ずっと旅に出る準備をしていたのかもしれない


結び目がゆるんで


だんだんほどけていくのを見ている


大切なもの


大切な人


水面にひろがる波の模様


朝だ


君がいなくなった後の空白を優しく撫でる


原子の震えを指先で感じる


心の始まりを想像する


この星を静かに満たす響き


足裏の感覚


鳥のように、魚のように


扉の向こう


そっと息する


子供から大人へ、そしてまた子供へ


くるくる回る


太陽の周りを廻る


微かな痛みを道標にして


きらきらと輝く粒


いつも