日報

あるいは遺書

りゅう

歌を歌う 歌を浮かぶ 結び目をほどける 小さな村で 空を見上げる それはわたしではないわたし 矢のように空間がねじれ 夜のように眩しい 花束と妄想 燃え尽きる前の嘘 また電話して 言葉が宙に浮かんで消える どこにきたの? どこからいくの? 戻れない未来 …

勝手にして 夜の公園 電話を切る 咳をする どこまでも歩いていくように 思考はとりとめもない 身体が痛い 帰りたくない 電灯に照らされた虫 ぽつんと 被害者と加害者 遊具に掴まって 嫌なことは嫌だとちゃんと言う 暗い気持ちになる 毎日が過ぎていく 春がき…

作り上げる 誰の手も借りず ここに立っている 星を見上げる どこまで来たんだ 窓の向こう 歩いていく 二本の足 虫になって 魚になって 太陽がきらきらして眩しい 部屋が崩れる 地面が揺れて 天体の軌道のように 穏やかな午後 生と死の狭間 微かな細胞の揺ら…

眺める 主体を忘れて インターネットの海で 悲鳴と喜び 小さな幸福 お風呂に入ろう どうやって生きていこう 戻る 膨らんでいく身体 大丈夫 暗い場所で踊る 裸の枝が春の風に揺れて せーので壊したい 青春だったみたいに どれほど間違えても 最後に残ったあな…

どうでもいい 全部どうでもよくない? 好きなだけ裏切ればいい 小さな部屋にいる 誰もいないショッピングモール プールの帰りに お前は何かがおかしいと言われる どこかで戦争が起きる それを知らされる 一番感じたくないこと ひまわりが枯れる 台風が過ぎる…

誰か 誰だ 俺の指だ たまに思い出す ふとした瞬間に 音が気持ちいい 頼りないままで 動かないままで そこにいよう 道がある 白い ふらふらと歩く お前はふらふらしてどこまでも 日付をめくる 際限がない 際限のなさは心地がいい 俺は誰だ 何を言ってるんだ …

途中下車 さざ波がする たくさんの小さな愛しい星 できるだけ歩いていく 寂しくても できるだけ愛を込めて 詩とかを書く 教室の机に日が射す あの埃っぽさ 膨らんで弾ける実 二度と戻れないから良い それでよかった 2010年、2000年 その感情の手触りを 今は…

どこにもいけないね 空が青くて 列車がやってきて 誰かを連れ去って 耳をすませば 無意味なざわめきがずっと 私の横で何か 抱きしめられないもの 温度を持たないもの ごめんね 大したことじゃないから 逃げ出したい 防空壕 存在しない 名前なんて捨てたい 知…

白い信号 バーがある 学校の裏の 匂いのない木 不思議な風船が浮かんでいる 重力のレンズで歪んでいる 魂が最果てに飛び立とうと もがいている 小さな目 なんで見る? 道の駅でうなだれる でっかい犬 花が口を開けている こんな自分でも優しくしたい 絵を見…

本を読む どっかいく 君を理解したくて 波が行ったり来たりする 屋根がある 壁がある 古びていく 定期送信 ああ、つまらない 本が崩れる 喜びの片鱗が光る 身体が弛緩していく 今日は雨 ずっと向こう 手紙の返事をまだ待ってる 後悔ばかり 魂の帰り道 教えて…

やるせなく 途中で終わってしまったように 帰る 仲良くできなかった人も そんなことないよって思った あったかくして 雪 あなたの名前を呼んでみる 恋愛をしている時に出る物質 擦り切れている 使いすぎて いなくなっていく 空白を埋めようとしている 子ども…

気がついたら夜が降りてきて ぼくは肌をなくして 星の輝きが青く 何にでもなれると思った 実際そう思った時にはもう何かになっていた でも思い出せない 何を願ったのか 列車が過ぎていく はやすぎて追いつけない 100年も前に書かれた文章が ゆっくりと胸の奥…

おめでとう お疲れ様 見失ったよ 遊具にぶら下がって 世界の天井を眺めている ため息が出る 女の子が犬を散歩させている どこからか夕暮れが忍び寄ってきて もう終わりだと言われる だからもうだめだ 首を絞める手の感触が あの子の笑い方が 意識がバラバラ…

そうやってなくなっていった 太陽をまだ抱いていた 苦笑いをして 取り戻す あなたに会うために歩いた道を 忘却の道標を もう二度とない こんなことはもう二度とないよ 目が開けられない 期待なんてしないで 母の胸に抱かれて ああ難しいな 冬の枯草は 飛ぶと…

全部 全部手に入れたい お前はもうここには来れない お前が誰かに過ぎなかった時 宇宙には何もなかった 病院の白が眩しかった 水を飲むしかない 人を憎むことしか出来ない 世界がグロテスクに歪んでいるのは 俺が全部悪いのだと思う 深呼吸をして 弛緩の中に…

駆け抜ける 小さくなる 息を吐く 白い 冬だ あ、と言う みんな忘れる 確かにここにいた フェンスで区切られる 背の高い草が揺れてる 車、風、手を伸ばす 病気が治ったら なんてすぐどうでもよくなるけど また脳が沸騰するから 身を任せている 子どもの俺はど…

役目がほしい 白い影 肉体は裏切る 時間を持て余してる それを願った 鳥が羽ばたく 意味がわからない 瞼がピクピクと動く 好きな漫画を読んで さなぎになって 窓の外では季節がうつろうらしい 君は充分に戦ったと そう言ってもらいたかった 電子機器に囲まれ…

自分と向き合う 不安の行軍 言葉が喋れなくなったらどうしよう どうやって伝えればいい? 虹が出た時とか でももう誰にも会いたくないよ 壁がやってくる 吊り下がった壁 首がやってくる 日付は行ったり戻ったりだ 音が渦巻く 空っぽになる それでいいじゃな…

破壊を続ける 神さまが指し示す 輪郭が合わさっていく 脳内の雑音 天使を求める 点と線が勝手に繋がっていく 吐き気 まるで0から生まれたみたいに ドキドキする 折れていく 戻れなくなることが怖いの? 取り返しのつかないことが? 飴玉を一粒 全部溶けてな…

虹が向く 無垢のままで 顔がない 痛みがない あなたという言葉を知った 電線に烏が止まっていた インターネットの中で 泳ぐ LとRの混合 小学3年生まで団地に住んでた 帰り道が長い お揃いの悪魔を飼っている 魂の方向性が似ている 階段を昇っているのか降り…

あなたは心臓を掻きむしる 血に濡れた手で 子供を抱きしめる 狭い部屋 匂いも麻痺して 木漏れ日がふわふわ浮かぶ テレビで戦争が始まる 何か始めないと 苦しい 出掛けては帰っていく 人影が行進する 夕日、夜、交互に お帰りなさい よく切れそうな鋭い月 わ…

咲いて 影ぼうし あの時なんて言ったか 覚えてない 大きな穴 深い この中に入ると 小さくなる ギター 窓辺の白い風 時間がぬるぬる過ぎていく 小さな部屋で 足を伸ばして この季節 記憶の欠落 長い間 わからなかった キーを押していく 私に喋らせるあなたは…

身体の時計が止まっていけば 苦しみも消えていく 線路沿いに咲く花を摘む 泣いてたの? 小四の頃俺は ランドセルの皮をむしり続けた まともな大人なんて一人もいなかった そういうものだろう 冷たい川がさらさら流れる 君は大人になって 俺は歪になって 病院…

陽の光が目に入ってしょうがない 友達に会えないのも仕方がない いつか死ぬならそんなに悩まなくていい 言葉の使い方を知らない 馴染みのある青が滲む テレビではいつも何か出来事がある 記憶が全部なくなった状態を想像してみる それでも俺は戦えるだろうか…

今日はできそうな気がする 虹が光る 存在が存在であるための条件があるのか アスファルトが冷たく 耳の長いロバや 骨だけのシーラカンス 泣かないで 強くなりたいと願う 日々買い物をする 心が壊れそうになる 深海の片隅の部屋で 窓枠の向こう 月明かりに照…

誰かの日記を楽しく読んでる 関係ないけど 惑星の公転を実感できるイベント 湯気が大気に消えていく 不思議だ 今も大陸はぬるぬると動き続け 山脈は隆起し続けている 身体がある ここにある 鍵盤を順に押していく指が 意思が 何らかの色やイメージを纏って …

何かが音もなく崩れていく それはとても静かに始まる お前も私も素知らぬ顔をして 冷たい川の中を歩いていく足の長い鳥 たくさんの音がバラバラに解けて それを考える前にやれ お前がここにいることは間違っている トンネルを通過する車が立てる地響きが 鯨…

何もできない 何もできないと思う 自分のことだけを徹底的に描写するやり方で 君と繋がりたいと思う 力が出ない バスに乗ってる 俺も死ぬのか 薬物と恋愛、ぐるぐる 笑っているのか 何も無くなっていく 冬の溜息 頭蓋骨の内側の空洞を抱きしめたい 屈託なく…

宇宙の端っこで 崩れそうな身体で 陽の光の中で 消えていく思考の中で 未来のことなんかどうでもいいよ お茶が飲みたい 皮膚がからからに乾いていく どこまでもコードが伸びていく 回転 最後の痛み 物理法則が通用する 図形の中に押し込められる 名前を呼ば…

何も出来なくて 静かに微笑んでいた 冬がきた 大きい音鳴る そして耳鳴りがする ここは小さな部屋 時計が規則正しい 皿を洗ったり 日常の些細な動作が儀式になる 響いて この配置のままで ドライフラワーが垂れ下がって あなたの意図が 言葉の絡まりの奥深く…