日報

あるいは遺書

りゅう

木霊

呼吸が続く


考える前に


様々な電子機器


光を遮断して


光を創り出す


聖書のように


その物語を誰かに伝えたかった


大丈夫、怖がらなくても


死はやって来るし痛みは避けられない


気持ちよくしてあげる


そして去っていく


右も左もなくただそのものであるだけ


扉を開ける


色彩


そしてまた閉じる


宇宙の片隅で


答え合わせを続ける


渦を巻くように


フラクタルが浮き上がるように


最初から決まっていたかのように


目を閉じる


音が見える、景色が聴こえる


温かく胸の中で


そしてまた開ける


注射は嫌い?


反響するざわめき


自分が何者なのか知りたいだけ


真昼の月の欠片


拳に力を込める


泣いている


共鳴する


何かのために何かをすれば


関係が結ばれて


その責任を果たさなければならない


体の内側の潮流


胎児の頃から知っている


抱きしめたい


まだ足りない

 

地面の匂い

思い出して


最小単位の振動


電話するから


季節が皮膚を包み込む


届かない


水面の揺らめき


取るに足らない記憶


何のために生まれて何をして喜ぶ


安心感


望んだから


間違えたまま進む


初めて自転車に乗れた日は


とてもよく晴れた日で


新しくなる度に


自分が元々どこにいたのか分からなくなる


瞼を貫く強い光


かき混ぜられて曖昧になる


伝えなければ


屋上に昇って


夏を抱きしめる


体の内側をさっと駆ける


喜びも悲しみもちゃんとしたい


最後の鼓動


諦めてもそうじゃなくても


洗濯機がピーと鳴る


街が動き出す


ここはどこ?


小さく丸くなる


砂埃が舞う


錆びたフェンス


失くしてはいけないものを失くしたのかもしれない


それを探したい


太陽が輝く


地面の匂い

 

日々

新しい海


風の響き渡る音


連鎖的に生まれては消える


呼吸を深くして


手紙、届いたよ


さっと染み渡る


深い青


見に行こう


鼻歌


透明な殻の内側で


鼓膜は静かに震えている


今なら分かる気がする


落ちそうになりながら


危なっかしく揺れ動く


小さな塊


右手を動かせば左手が


左足を出せば右足が出る


だからこうして両手を差し出す


太陽の周りを渦巻く


日々


全ての動作は祈り


沈黙を破る声


勇気を出して


神経伝達物質


水のように柔らかい世界


細胞から細胞へと


届こうとする


望んだから


窓辺の植物


悲しみと喜びの共鳴


胸の中の炎


階段を昇るように降りる


二重螺旋の交わるところで


再びあなたと巡り会う