日報

あるいは遺書

りゅう

相互に補完し合うように
雨の日
0と1
君が笑った
もうそれでいいそのままで
大切なものを大切に扱おうという意志
揺りかごの夜の歪みから哺乳類の子孫が覗いてる
数を覚える
数を数える
子宮の記憶、天国の夢
細胞が季節を浴びる
お父さんのことやお母さんのこと
数えきれないほどの偶然が一ヶ所に集まる
午前中のある時間だけ陽溜まりができる部屋で
数えきれないほどの素粒子が踊る
君は眠るときにどんなイメージを見るの?
言葉という容れ物を抜け出したいよ
君はまだ海を見たことがない
君はまだ音楽を聴いたことがない
ほどける
忘れる
始まりがあれば終わりがある
過去から来て未来へ行く
それがぼくたちの世界だ
でも、君はどこから来てどこへ行くの?
君は神様を見たことがあるの?
数を覚える
数を数える
ほどける
忘れる
数を覚える
数を数える
ほどける
忘れる
やがて君は泣き疲れて、そのまま
いなくなる人、居残る人、それを見る人
迎えに行こう
だって、いのちは、許されるべきだろう?
やわらかさを、ありがとう
形を、ありがとう
過去と未来にしかないものを抱きしめて
君はやっと前に進める
扉を開けた瞬間の光の白さを
君は知ってる?