日報

あるいは遺書

りゅう

死と再生を繰り返す日々

言葉で何かを伝えるのは難しすぎる。
俺は一人じゃない、だけど一人のような気がしてしまう。誰といたって寂しい時は寂しい。一人でいたって楽しい時は楽しい。俺のことを気にかけてくれる人はありがとう。
死んだらどこに行くんだろう、と夜中に考える。人の死は人を悲しませる。いや、苦しませる。それ以上のことはわからん。悪夢のようだ。
こんなとき、人間なんて、ただおろおろしてるだけの毛のないチンパンジーに見えてくる。どんなに偉そうなことを言っても、結局いざというときに役に立たないがらくたばかりだ。生き物はぜんぶ地球に涌いた雑菌だとか話したっけな。金の計算めんどい。家計簿につけるの忘れてそのままなかったことになってるから家計簿の意味ない。
心があるからな。俺や、君や、あの子にだって。
生きてるってことは醜いんだよな。そんな風に感じてしまう気持ちはとてもよくわかる。笑いたくない時でも笑ったりしなきゃいけないし。欲望にいいように振り回されているし。だけどそんな気持ち、共有できたところでしょうがない。余計うんざりするだけだ。
日だまりの中で笑っていてほしいと思う。光の中に立っていてねと思う。移動していく。変化していく。取り返しがつかない。後悔しても遅いし後悔しなくても遅い。脳みそと世界がずれていく。溝が増えていく。理解できなくなっていく。歳を取っていく。死に近づいていく。自分の失態に数年越しに気付く。そんなことばっかり。
だけど生きてるってことはそれ自体が奇跡だ。
もしもなんて存在しない。残念ながら一本の道でしかない。だから君は間違ってない。途方に暮れている。遠くへ離れていく。答えを出さないというのが答えだ。そういうのはだめか。ふざけた態度かもしれない。俺は何をしているんだろう。たまにふと我に返りそうになる。進むしかないじゃないか。その先の未来がぐちゃぐちゃに壊れていても、コーヒーを飲んだりケーキを食べたりしながら、毎日を、日々を、寝たり起きたりするしか。とりあえず。とりあえずでここまできた。誰だってそうだろう。別に生きようと思って生きてるわけじゃない。生きてることが好きになりそうな時はたまにある。幸せを感じた瞬間のことは、なるべく忘れないようにしようと思う。頭の中で何度も再生して、補強していく。思い出。思い出は大事だ。それは、想像力だ。あの、満たされた気持ち。本当はあり得ない永遠の中に閉じ込める。今ここにないもので、今ここを満たすことができる。会いたい人に、誰でも会える、戻りたい時に、いつでも戻れる。本当だよ。いつか何かがわかったり、わかったような気になるときがくるのかな。それとも、相変わらず何もわからないまま、混乱したまま、子供みたいに、こんな風にぶつぶつぼやきながら死んでいくのか。当たり前すぎるからこそ忘れがちだから何度でも言うけど、人は全員いつか死ぬんだ。100年後には今生きている人は誰もいない。たった100年。発生して、泡のように消えていくまで。だから何も恐いことなんてないよ。
夜、目をつぶって、まぶたの裏側に吸い込まれそうになる。安心してねと言いたい。大丈夫だよ、と。それは自分がそう言われたいから。大丈夫だという言葉が出た時点で大丈夫じゃないのかもしれない。大丈夫だと思おうとしてる時は大丈夫じゃないのかも。ドキドキする。だけど、大丈夫だと言ってほしいです。頭がおかしくなりそうだけど頭がおかしくなっても別にいいや。痛いのは、苦しいのは、嫌だ。人の優しさを信じたい。人に優しくしたい。少しでも役に立つ人間になりたい。
空が青すぎる。それだけで泣けてくる時がある。いきなり終わったり始まったり。死と再生を繰り返す日々。なるべく人を傷つけたくないな。難しいけど。何かを言ったりするたびに。俺は、ずいぶんと臆病になったな。ない翼をあると思い込んで生きてこうと思う。自信はまったくないけどごり押しでいこうと思う。