日報

あるいは遺書

りゅう

今までこの地球上で死んでいった膨大な数の人間が、膨大な数の生き物たちが、みんな気持ちよく死んでいったのだとすれば

そして日常がぽんと弾き出される。ポップコーンデイズ。実際は痛いそして熱い。なんとなく風景が回りくどい。丘の上にずっと立っていたい風に吹かれていたい。いいっすか?今日は。それか鮫になりたい。この気持ちをわかってもらいたい。伝達という手段をいつも気にしている、俺はそれを極めようとしている、多分超能力だ、創造主の意図に触れる、0と1を直接的に見る。目撃する。橙色に染まる空の向こう側へ。とても溶けやすい心のまま。帰る人達。止めどなく。原っぱに寝転がる。東京スカイツリーと富士山。マントルの温度を感じろ。挽き肉になる。ずっと手術されているような気分。不安になるような音が骨を通して響く。メモリの幅が不規則に変動、風の中に鉛の重さを見出だして、輝き足りない、立ち向かい足りない、もっと浄化されたい。温泉に入りたい。戦いと休息を混同する。この家は終の住み処ではなく拠点に過ぎない。ライフを火にくべる、一気にマイナスになる。二人でいるとき、一人でいるとき、その色、形、重さ、声、ボタンの留めかた、ガソリンの揺れかた、マリファナラーメン。詰んだ。でも大丈夫。それは合言葉。魔法の言葉は自分でつくるんだよ、右脳と左脳を共鳴させて。光の中に入ることもできる、だって大丈夫でしかないと身体の芯から感じる、具体的な感覚、これを疑うこと自体が馬鹿げているんだ。君のことが好きだ。結婚してくれ。花という花が咲き乱れそして散っていく。道という道が祝福されている。プラスチックの時計を溶かす。ヘビーローテーションヘビーローテーションする、シンプルに、簡単に。海蛇を見たことがあるか?知らない人に手を振る。ツノが生えた人を見つけるのが上手い。喫煙所で忘れられているサラダを持って帰る。空気になったら何がしたいか考える。森の奥に掘った穴を何に使うか考える。葉脈を通過して、緑の光が染み込む。動画の再生数やフォロワーの人数じゃない、重要なのは、真実は、顔は、服は。幸せになりたいと鏡に向かって10回言ってみろ、そうすればすべての答えがわかるはず、だけど重要なのはそこじゃない、顔は、服は、その答えをこの人生でどう使用するか、どう消費するか、わからなくちゃ、心を開いて。無駄だったすべての出来事へ愛を込めて。珈琲を飲みケーキを食べる。消費量が半端ではない。思いを巡らせる。空の彼方や海の底や大地の気持ちについて、雨の日も晴れの日も、皮膚が痒くても、炊飯器の中の米が発酵していても、かけがえのない家族団欒の機能が不全だとしても、弱肉強食という真実がネガティブなイメージと共にネット上で拡散されていたとしても。実際、死ぬときが気持ちいいんだとしたら、こんなに素晴らしいことはない、もっと生きていたくなる、細胞を増殖させてみたくなる、意味と無意味がシュレディンガーの猫の箱の中で重なりあっているようなもの、かなりエキサイティングでぞくぞくする。今までこの地球上で死んでいった膨大な数の人間が、膨大な数の生き物たちが、みんな気持ちよく死んでいったのだとすれば。地球は、青いから好き。ああそしてぐるぐると回るあれ、あれが、もう止まらないんだなとわかる、そうあれが、物理法則によって自動的に加速し続ける、進んだり戻ったりして、表面に張り付けたグラフは、もう破り捨ててもいい、勢いよく列車に飛び乗る夢を見た。嘘と本当のちょうど中間地点で地平線を見た。光は屈折する。水の中の不思議な紋様。ある物語。長いのか短いのかわからない。遠くても近くてもどうでもいい。手を伸ばせばある奇跡。あと歩いて行ける場所。夏のいいところと冬のいいところを鍋で煮る、温度について学ぶ、青空の中に煙が溶けていく。ゲロを吐くと楽になる。すべての毒素を放出し終えたら、また歩き出そう、この旅をどうするつもりなんだ、未来から過去に向かって吹く風や流れてくる雲、思いつくことならなんでもできる、必ず、それがわかる、ナイフランプ鞄に詰め込んで。夜を泳ぐ楽しみ。抽象の梯子を降りる。ページをめくりながら過去に戻る。風景を眺めながらうんこをする。透明人間にもなれる。自分自身があらゆる場所に遍在している。それも不思議じゃない。宇宙に向かってスピーチをする、そうあるべきだ、認識できる範囲内なら、すべての場所に行くべきだ。玄関のドアを開けた瞬間に包まれる、あの異質な空気が好きだ。