日報

あるいは遺書

りゅう

ぼくはぼくの中に入りながら、君の中に入る君を体験したい

眠ってはいけない。反省をしなくてはいけない。心と肉体を片付けなければ、お前に来年はない、お前に来年はない。はいそうですか、女性器の名前を片端から言っていくぞ、白い空間で、生と死の狭間で、ドラゴンになりたい。どんどん押し流されていく、もの悲しい気持ちだ、だってそうじゃないか、君の肉体はそんなにも欠損していて、戦争が始まっても気づくことすらないから、ただ機械のようになって、旅人を見送るよ。ほら。まじか。音がない、音という音が、雄と雌とその仲間たちと共に、空に昇って、列になって、待っている、天国の扉が開くのを、開けてくれるのを待っている。筋肉がない、筋肉という筋肉が、仲間たち、徘徊する夜を、降る夜を、震える夜を。小刻みになって、ぼくはぼくの中に入りながら、君の中に入る君を体験したい、疑似、嘘と嘘じゃないけどグレーの真ん中で、待っているのか?問いかけているのか?虫を殺したいと思った、幼少の頃そう思っていた。火を燃やしたいと思っていたし、窓ガラスを割りたいと思っていた。その中の幾つかは実際に実行しただろうし、それを成し遂げた瞬間の心臓を包み込む温度、でも、もうむしろそれすら忘れている、フライパンで鶏肉と卵をかき混ぜながら、影の一部になっていたとしても構うことはないし、その薄暗さを愛しているんじゃないのか、異なる言語で綴られた、自分自身の物語を。ああ攻撃してくれ、もっと悪意に満たされろ、そしてよみうりランド、そこに行く、2000年後、技術が細胞を犯し尽くし、ぼくらの魂を守っていた皮膚が、ただれて、めくれあがった後の世界で。不安定ですか?左右の耳の穴の中に子供。無邪気な快楽が日本列島を子宮の中にじわじわと沈める、個体の消失、繰り返されていますね、個体の消失、真ん中まで、行け、個体の消失、AV女優が笑っているよ、録音しなくちゃ、レコーディングを始めなくちゃ。風のようにびゅんと戦闘機は急降下、縦断爆撃が脳のひだひだを穴ぼこだらけにして、他人のゲロの意味について考えている間に火事になる、ニュースや新幹線が騒がしく虚ろに震え、給食のコッペパンが自主的にちぎれる、こんな時代だから、でもだからこそ、防犯カメラのレンズが自主的に割れる、あなたはどう考えても不幸だったけれど、肉体的な反応から逃れられない、誰とも出会いたくなくなってしまう。棒が刺さっているんだ、そして囁いている、土の中の生き物が、輝く天体に向かって、無限に近いその空白を、燃料にして核分裂を起こし、歌が生まれるんだ、歌が生まれそうだよ、うんこが漏れそう。速さから逃れなくてもいい、先端をぐしゃぐしゃにして、涙ばかりを流す、涙ばかりを、凍った地面の上へ、飢えの中へ、通り越していく、すり抜ける細胞、番号を呼べない、震えない、上が見えない、恐ろしい生き物、恐ろしい物語、引っぱって、このひもを、ひっかいて、バイオテクノロジー、嗚呼、郷愁に駆られすぎて原型を留めていないもの、反応が遅れすぎている、人間ではいられない何者か、魂ではいられない何者か、電車の中が狭くなって呼吸と会話が不均一、雄と雌の延長線上におまえはいる、という真実をすべての物質と事柄がおまえに告げ始める、口々に、食らいつくし、それでも、終わりがないのは何故なのか、また出口のない哲学が始まるぞ、今まで何かに本気になったことがあっただろうか。のたうち回る自分を上からフィルムに記録している天使。家族で、フードコートで、活火山の内部で、目覚めそうな神秘的な、もっと呼吸が続けばいいのに。何をしても何やってんだろう俺と思ってしまう時に備えて、さあ指し示せ面白い光を投げておまえの存在と存在の中のくねくねとした部分、フラワーが開花し続けている、冷たくて青ーーい空気が鼻の奥を犯し窓が全開のまま軽自動車が暴走する夜を踏む汗を摘む舵を取るまったくと言っていいほど頼りないふざけた笑顔が、後方へ、そして海底を旋回する鳥、ボーイ、難しくはない、それは特に必要ではないし虚ろでもないけれど骨折しているわけじゃない溺れていない、どうだ、ドゥーガ、牙を差し込んでみたまえ、饒舌になってみせたまえ。赤ん坊が怯えて、ある種の運命を感知しながら言語的にそれをもてあましおもちゃにして上手く狂っているように見えるだろうか、夕闇が説明のいらない感じを醸し出す野山、瞬間を発見していない、我々はまだ溶け合っているから、このおぞましい渦の中でハンドソープで手を綺麗に洗いましょううがいをしましょうテールランプを光らせましょう、乳母車が必要になってきている様子を神経の中で複雑な模様の配置から読み取る、ぼくはかなり大丈夫ですよー。布団あるし。お茶も飲めるから。君がいなくたって、そうさあなたがいなくたって、YouTubeは見れるし、オナニーは最高、絶対に誰も住む予定のないただ朽ち果てるためだけにそこに存在し続けることを宿命づけられているかのような暗い蟻の巣みたいな建物がぼくの心の中にとめどなく建設されてゴーストタウンが出来上がりそうだ。文字。上手く話せないよ、だけども。命がこわれるまでは。