日報

あるいは遺書

りゅう

何らかの曼荼羅

揺れる窓カタカタ、うんこを食う君は、目を真っ赤にして、どこかに繋がっている涙をマーキングしながら歩く、そして一秒と一秒のわずかにあいた隙間から異次元に侵入、その懐かしくて新しい匂いを全力で嗅いで、今まで自分が辿ってきた時間の集積を曖昧にする。速すぎて無意味だったけれど、繋いだ手の温もりがぼくの無意識に呼び掛けるものがあるとすれば、それは針の先端の痛ましい記憶、孤独な家、海に飲み込まれる子供、など、呼吸を乱していくすべてに復讐を企てるたくさんのイメージだった。いつかそれをヤフオクに出品する時が来るだろう、だがその時こそ所有という概念が浮き彫りになる瞬間だ、全身を自動的に駆け巡る悲しみの熱狂、何らかの曼荼羅。ああ君はなすすべもなくうんこを食い散らかしていて、生命と生命の嘆きの永久機関について語るべき言葉を持たない、コンピューターウィルスに侵食されているんだよ、だけどその徐々に侵食されていく感じがまたたまらないんだ、豚のように鳴き、猿のようにマスターベーションをする、昼下がり、このなすすべもない感じが最高なんだ、アメイジング。閉じた部屋について描写する箇所がいくつも経年劣化を起こし狂喜する人間を固定したジェットコースターが根元から分解していく、太陽や月が意志を持っていると想像したことがあるか、遺伝子の配列がどのような存在の基本的な言語だと考える?よし、いいぞ、まずは走り続けろ、その足が餓えて腐るまで、これほど簡単なことはない、粒のように、そして泡のように、弾けたりするかのように、ぐんぐんと空に近付きその躍動感に巻き込まれた昆虫を食べて、生活をしろ、朝と昼と比喩と凍る夜と夢のことだよ、考えるな!!考えた瞬間にお前の首と胴体をギロチンが隔てる、としたら人類の知能は、どのようにして利用され得るであろうか。恐怖と愛。強風とわたし。恐竜と破壊。今日と明日。いいか、ぼくは君を絶対的な真実だと規定するぞ、その瞬間空に強度を持った透明なダイアモンドが浮かび上がり、そのあまりにも深い透明さが当たり前のように放射されている光を全方向に反射させ特別なものにする、すべての混ざりあってぐちゃぐちゃになったうるさい音の群れを、整理し、宇宙を漂う淡い色の雲のようなコードに沿って配列し、停止した季節のねじを、ゆっくりと回す。白い至福感、洗濯物がはためいて、コミュニケーションのために必要な言語野の力みを抜いていく。輪になって踊っている小さな者たちを許そう、日陰の幅が変動していくそのリズムに合わせてどこかにある無関係の粒子が驚き、日々にささやかな添加物を乗せていく、わたしは地面になった、冷たさを体現している、狂おしい苦しみを埋めていく、身体を強く揺らしながら、オルガズムの端に触れる。ものすごく破壊を感じたくなってしまった時、血液はじんわりと冷やされ、ボリュームを上げていくスピードの中で、生き物とそうではないものの中間に位置する温度や輪郭を意識しながら、割れて飛び散るガラスの破片の一つ一つにその意識を投影するような気持ちで、巡り狂っている時間に対して質問をする。恐ろしい音。お揃いの恐怖。光の速度が遅すぎてよろける、ぼくの身体が何かの一部に変貌してそのまま飲み込まれていくみたいに、水面下で進められる計画、ぼくが日差しの下で本を読んだりジュースを飲んだり痒い部分をかいたりしている間に、悪魔みたいな植物が成長して空に届くのを見るにつけ、不思議に爽やかな怒りが湧いてきて健康になる気がする。美女が身体をくねらせてねえもっとちょうだいと言う、そんな気持ちだよ、ああそんな感じだ、夕暮れの薄闇、弱すぎる音の波で呼吸を麻痺させて、もっと大切な記憶を忘れよう。通りを歩いている全員に対してお前は俺にはなれないんだよと教えてあげたい、だから何も確かめる必要がない、今から俺には透明な翼が生えていると信じて空を飛べばいい、風景が震え始めるくらいに音量を上げていけばいい、欲しいものをすべて買いまくって完璧に完成された部屋をつくればいいじゃないか。