日報

あるいは遺書

りゅう

笑顔を絶やさないことが上手ですね

虚しい小鳥が鳴いてる。どうでもよくなったらもう終わりだから今日はもう終わってるんだけどいつまでも往生際が悪いからいつまでも失敗し続ける。死ねって言ってリセットボタン押す。くたびれた団地で。土埃のアスファルトで。錆びた遊具の上で。誰かの焼け跡の上で。ああ遊んで死にたい。楽しいまま終わりたい。都合がいい。まばたき。猫が歩く猫が寝転ぶ。過去や現在や未来が直線で続いていく限り永遠に満たされない、それが唯一現実に存在する永遠で。ねむねむさんがお布団のなか。パニックを起こして、パニックを起こしたまま、元に戻る理由を失う。笑顔を絶やさないことが上手ですね。応えてください精一杯。朝日。悪意。食べたいと死にたいが同居して癒着する。化学反応、合併症、また止めどなく悪い光が幾つも生まれて、卵から孵化した虫が脳の中で成長して、判別できない、モノクロの中で、誰が喋ってるのかよくわからない、声だけが入ってきてうるさい。わくわくしてから一週間後、傷つけたものや失ったものや目を背けたことや思考を停止させたことの重みを思い知って、内側の自分を真に受けて、落ち込む。そんでまた次の一週間。さっさとやってくれ。いっそ塀の中から一生出られないようにしてしまえば、教誨師の言うことに素直に耳を傾けながら、綺麗な人間になれるだろうか。言葉を覚える前に心を閉ざしていれば、もっとシンプルな世界で暮らせたんだろうか。にやにや笑ってる静けさがぼくにストレスを押し付けて、いじわるだ。ああ早くこのストレスを消さないと、ああ。だけどこのストレスを消してしまったら、後には空っぽの空間が残って、その中で暮らしてる小さな人々は、またわけのわからない建造物を何個も建て始めて、いつまでも終わらないじゃないか。また消さなくちゃいけなくなる。ははは脳みそが溶けてる。この世界って誰がつくったんだ。酔う。小鳥は飛んでいく沢山の点点、やがて大きくなって、動きが鈍くなって、動かなくなる。今度会った時はもうちょっとちゃんとしてたいって思う、何度もそう思っている。オレンジの光が曇り色の隙間から差し込んで、なんだか少し大袈裟に見せて、腫瘍を取り除いて。いつになっても回答が得られないのは、きっと質問の仕方が悪いせいだ。考え方を変えた自分を見て彼女が落ち込む。路上は濡れて、ぬかるんでいる。てかてか光っている。光を吸収して悪意を溜め込んでいる。子供のように。鳩の顔は気持ちが悪いよねやっぱり。天皇の顔もなんだか変な感じだよねやっぱり。そう思うでしょ?誰ともなしに呟いて、そんな人類のためにSNSはあって、大地が割れたってWi-Fiは飛んでるから大丈夫まだ大丈夫。降り出した雨は黒くなって、今まで体験したことがないような汚れが付着して、洗濯しても落ちないし、お気に入りの星マークをつけた瞬間リストアップされたそれらは端から台無しになっていく。汚したのは誰?それを擬人化する。毎日落ち込む。擬人化して、怒りをぶつけて、バッティングセンターやカラオケボックスに入って、夜寝られる程度の疲労を溜め込んで、ほら。見て。思い出の場所だって今は雨に濡れている。9歳の自分に一言、今何か言えるとしたら。いや、何を言ったって無駄なんだよ。だけど俺はこうしてずっと見守っているから、何もできないけれど、恐ろしく遠いけれど、過去と未来が繋がってるならそれは一つのものなんだから、逆行することも不可能じゃないだろ。俺の言ってることわかる?なあ、お前何様のつもりだよ。記憶から消えた自分自身へ。何か勇気付けられる一言はないか。今まで通り過ぎた人々、Googleで検索できないことの方が多い、それは当たり前すぎるけど忘れすぎている。毎日気をつけすぎているよ。笑顔を見せることに何の苦痛も感じない、だけど白くなる。音が鳴る。お前のために鳴ってるんじゃないんだよ。腹が立つ。だけど2秒くらいしか続かないや。それよりも窓の外。挨拶して。別れて。分け隔てられて、整理されて、てきとうにしまわれて、ある日ゴミの日に出される。どうせなら部屋ごと燃やせばよかった、そうすれば忘れられない思い出になっただろう。残念だった。ああそんな目で見ないでくれ。また見苦しく子供に戻る。赤ちゃん。生まれる前。破壊しようと思う。だけど2秒以上は続かないよね。ここは部屋?狭い部屋?雨に濡れて泥にまみれてふやけてぐしゃぐしゃになって破けた紙ヒコーキがそれでも飛ぶなら、俺も多少は君のこと信じてみたい。保険をかけ続ける。その果てにあるのは死だけど、それを詩に変換して、誰でもやってるように、ほらこうやってすり抜けて、バイト先まで電車に乗ってく。誰かに会いたい、36度前後の心があるなら誰でもいい。行ったことない場所が多い。食べたことないものしか食べたくない。吐きそうになってくる。もう終わりにしたいんです、一旦。一旦?保険をかけ続ける、その果てにあるのは死のくせに浅ましくも詩に変換し凡庸にすり抜けて這いつくばってバイトに行くよ。ちゃんと見ろよ俺を。安っぽいピアノの音が、こんなにも愛おしくて、大気がふるふると振動して、これが生きるということなら、もう意味がわからないよ。30分かそこら時間を潰して、ずっとついてくる影はもう見ないフリをして、あなたの姿を見つけたら標準の笑顔で、面白くもなんともない冗談を言って、コーヒーを飲んだり、アイスクリームを食べたりしながら、旅行の計画でも立てて、大したことは何もないんだけど、失うことがこんなに怖くて、だけどそれを口にした瞬間にカウントダウンが始まるような気持ちで、だけど大丈夫だから、大丈夫だよ。また吐瀉物を飲み込む。地面に落ちて雨に濡れたそれを、ちゃんと。静けさに閉じ込められて神様を信じずにはいられなくなった。だけど複雑なことは嫌いだから、ぐちゃぐちゃになるのはいたたまれないから。また前を見て。電気を消して暗くした部屋。世界中がぼくの部屋。放射能に汚染された大気が循環しているし、ゴミ箱の中から精子の匂いがする。俺がちゃんとした大人だったらこの精子は10ヶ月後くらいに人間になってたかもしれないけど、それは現実的じゃないし、何言ってるかわからない。人間のことがわからない。時代が時代なら俺はとっくに犯罪者で拷問の末に絶命してたのかもしれないし、逆に神様にでもなれたのかもしれないけど、それは現実的じゃないし、何言ってるかわからない。現実だって誰かに編集されてるよ。モノクロの空がモノクロのまま薄暗くなってきて毎日のように無意識の領域で死を予感しているから、人類は皆詩人だ、ほんとうは。だってインスタグラムを見てみなよ、全部詩だ、全部全部全部。気づかずについた嘘の責任は誰が取る?やっぱり世界観が違うんだねと言っても、ぼくの世界にはぼくしか住んでないみたいだね、ヒロシマとかナガサキとかフクシマを自分なりに解釈したらこうなったよ。季節は巡る、そこに言葉は必要ない、本来は。上手くいっていれば。ぼくは教室のみんなが怖かったし腹が立っていたし悲しみを抱いていた。だけど何もできない自分が一番嫌いで、追い詰められた現状打破のアクションは、後先考えず、空回ってばっか。これがぼくの戦争。血の色。今更何を言ったってもう遅い。過去を美化して肯定するしかない、っていう絶望。先輩の皆様方、伝える努力なんて全くしてない吐瀉物が、そのまま綺麗に伝わった瞬間の感動を知っていますか?俺はどんどん高速になっていく。ついていかない全てのブレブレの形をそれをそのまま引き連れて、旅、50メートル走の連続の旅、ああ疲れたなんて言わない。寒いとか、暑いとか、どうなったっていい。本当は穏やかな、思慮深い、懐も深い、親しみやすいおじさんになりたいよ。いつか出逢えるかもしれない子供に、惜しみなく父性をさ。だって、でも。言い訳の連続、それを昇華して上昇気流に乗るやり方しか、今までの人生で学ぶことができなかった。はは、自嘲、後ろ向きで進む、そんな人の言葉の光を食べてきた。後ろ暗い光を。その光の影と。歩調を合わせてきた、愚痴ばっか言いながらここまできた、悲しい顔ばかりを見せびらかして、傷つけて傷つけられて火曜サスペンスさながらの泥沼を歩いて、刃物の輝きならよく知ってるけどその輝きがなんの役に立ったっていうんだ。それでも輝いているんだ。俺は速さを求める。いい人になれなくても。いいおじさんになれなくても。