日報

あるいは遺書

りゅう

マインドコントロール姫

雨、雨、雨。自分のよくない部分だけを集めたような。暴力の暴発をこらえている。大人だから。言葉の世界から逃げ出さないように閉じ込めておく。大人だから。脳みその中の戦争。生殖器の奥の奥、出口まで。君の肌のように真っ白な光線がアスファルトを君の肌のようにしている。あたたかい本当の場所。守ってる破壊神。時計の逆流。すみませんと殺すの狭間は案外狭い。悪意のような善意で君との距離を測ってる。神社の水で手を洗いたいよ、今すぐに。何千年も人々の祈りを封じ込めた水。空がもっと近くなりたい。自分で死ぬ虫。発光海月。応えない人。想像力の旅で君から遠ざかって。ドローーン。ストレスで死ぬモモンガ。空疎な形。言葉の階段(天国への)。空疎な痛み。内容ない本みたいな天気と色。虹の中の細胞の一つ一つの表情をすべてわかってあげたい。守ってあげたい。こっそり見ていたい。価値があるのかどうか判別できない。だけど引き寄せられていく、虫のように。ぼくはもう人間であることをやめたい。そのゲロを吐き出して何になる?憎悪に巻き込まれてぼくは憎悪の一部になる。それは事故のようなものだ。台風のようなものだ。差別と偏見と思い込みと事務的な決定のゴミ箱に身を投げる。たとえば、笑顔を見てホッとするような価値が自分にあるだろうか?君は固まってしまう。静止の中にしか希望は見出せない。温かな腐敗した絶望の中でしか生命を維持できない。異形の身体を晒して、冷酷な光に焼かれて、弱者のフリをしてうろたえている。嘘が嫌いだ。脳みそは嘘でしかない。それが手に入ってしまえばもうどうでもよくて、実際は期待している時の方が楽しい。いつまでもヘラヘラと。神経の枝を天に伸ばして、全身を太陽に濡らして。どんなに醜くても、異形の姿でも、ぼくは愛に触れたかった、愛そのものになりたかった、それを諦められなかった。だんだんと、自分の顔を、自然に忘れていく。それは、覚えている必要がないからだ。あちら側とこちら側はどろりと溶け合う。あの岩場から水面に飛び込んで、ファンタの泡が生まれる。死ぬときっていうのは、こういう感じかもしれない。天国に一番近い場所で君とキャッチボール。身体の軸がゆがんでいって、これはぼくじゃない、逆さから見られてる。目が光ってる。人間の発する毒電波で、月にグロテスクな花が咲く。戸口に一匹の獣が立っている。同じ場所ぐるぐるさんが住んでいる、この頭の中には。脳みその皺の一本一本が迷路。人生は化学反応、ドラッグ体験。神さま。同じ場所ぐるぐるさんが住んでいる、この国には。みんなが苛々している。みんなが大きな声を出すのを我慢している。君の声や喋り方がどうしようようもないくらい、夢や希望を持てと迫ってくる。虚無感との戦いに俺を参加させないでくれ。勝手にやっててくれ。大人になった瞬間に、誰もが兵士Aに成り下がる。俺は君のために勝ち目のない戦いを挑む。それが愛だって言うなら。宇宙には水も空気もないんだから。カフェインで多少元気になるよ。必要なら安定剤だって飲むよ。もうみんなに迷惑をかけないよ。だからあのゾッとするような冷めた目はもうやめてくれ。ああ、よろしくお願いします。嘘だって上手につけるようになりたい。俺が俺である理由をでっち上げて、この世界に売り込むんだ。そして巨万の富を得る。誰も入れない聖域を買う。君も手伝ってくれるかい?俺はただ、ママの子宮の中で眠っていたいだけなんだ。ごめんね。代わりに何か話そう。面白い話をしよう。お花畑で両手を広げたいよ。歌は良いものでなければならない。残酷な優しさという矛盾した日差しに包まれて。これ以上ぼくの想像力を弄ばないでください。本当にお願いします。絶対に思考停止できるゾーンを持つべきだ、人々は。大した努力もしていないくせに報酬系をいたずらに刺激していると天罰が下る。再現VTRの美談に溶かされる人類、平等に、シンプルに、太陽のように。ただそのほとばしりを抱きしめて。そこに何の罪があるんだ。神や、神のような超越した存在よ。野に咲く可愛い花の価値を認めない。女体のことを図形だと思え。そこに吸い込まれたら、もう二度と人間界には戻れないと思え。武器を何も持ってないんだから。決して喧嘩を売っていたわけではないんだ、ただ身を守りたかっただけなんだ、だけどそれは誰だってそうだし。はあ、警察は嫌だ、警察だけは、びっくりするから。ぼくはこの世界の情報を複雑にしている、ぼくと、君と、友達が数人いるだけのせまいせかいを。過去を清算する、そして君はすぐにそーやって。外国に行きたいな。それか雲まで届く階段をつくりたい。お金と仲良くないからお金が減るのかもしれない。けれども、何を考えているのかわからないような奴と友達になんてなれやしない。ひたむきな心を見せてほしい。これを機にてきとうな人間になりたい。ひらがなのじんせいをあゆもう。太陽が登ったり沈んだりする丘で、鳥でも眺めながら、水でも飲んでいよう。夕方のニュースの怪人と、無言で手を繋いで。暗黙の了解のまま、宇宙は永劫回帰する。それはともかく、今日の獲物を捕獲しないと。死の中へと。可愛い動物たちよ。時の濁流の中で息なんかできたことない。髪を切るくらいならアルバイトなんてしない方がいいよね?歪な世界に秋晴れが広がる。つくられた可愛さの飾らない微笑みが。目に優しい眩しさ。何の意味もない生殖行為が良い。言葉にならないものは最後に残るだろう。てきとうに透明になれ。祝福の無音。リラックスしていく。手を繋いで歩く男の子と女の子の内面を想像しない。なぜなら、その姿は圧倒的に正しい。付き合うとか、付き合わないとか。別れるとか、別れないとか。高度7000メートル、俺は高速でレジを叩き続ける。ひんやりとしたものに包まれて、俺は霊力がみなぎっている。女性をどのようにして犯すかなどの事柄についてを考えずにいられるひと時が一番良い。地球が、ただ、ユーモラスに周回していれば、他には何もいらないのに。ぼくは地獄に落ちたくないのだ。面倒くさいことや、説明のつかないこと、ごちゃごちゃした線や、がん細胞や、全身が引き締まって動悸がし始めるあの感じにビビっているんだ。だから、機械にならざるを得ないよ。せめて君を勇気づける一言を喋るテープレコーダーになれたらいいのに。そして年を取ったら仙人になりたい。常に目を覚ましていて、何一つ耄碌していない。言わなくてもわかることしかないので、何も喋らない。そして空中浮遊を習得している。餓死寸前の子供が倒れていたとして、お前はそれをきちんと知らないフリできるか。それでも地球は廻っている。その死の断面を、ジロジロ見ずにいられるのか。数字の上でダンスする1次元のぼくら。苦しみを感じることができる。苦しみを感じなければならない。真っ白になるためだけに生きているのだから邪魔しないでくれ。今にも壊れそうな遊具で、それでも遊んでいたいのだから邪魔をしないでくれ。透明な水の中に沈んでしまいたい。ぼくはぼくの心の中に閉じこもる。ぼくの心はぼくのものではない。ぼくはぼくのまま衰弱していきたい。ぼくはぼくの身体をもう空に還してあげたい。今まで積み上げてきたものは全部無駄だった。だって、こんなに簡単に崩してしまえるんだから。逆さまに置いたのが悪い。静かなところに行きたい。俺は疲れてなどいない。まだここにこうして立っている。自然体でいるために不自然な努力を重ねてバランスが悪い。帰らなければいけない場所などない。その代わり行かなきゃいけない場所もない。懐かしい笑顔が真っ白だ。懐かしい夏の風が爽やかだ。確かにそこにあったものが幻想のように感じる。もう共感できない。ファンタジーの世界でずっと遊んでいられればいいけど。もう共感できない。綺麗なものや美しいものごとに他人の態度を取り続ける。だって大人だから。同じように店員の話を聞かない客にも他人の態度を崩すことがない。ぼくは感情的にならない。だって、ぼくだって、同じように人を傷つけたことがあるだろう。世界が崩壊すればいい。いい匂いがいちいち鼻の奥をくすぐってくる、しつこく。日常が縦に真っ二つに割れるといい。さぞかし気分がいいだろう。さぞかしすっとするだろう。ほんとはもっと話したいよ。おじいちゃんやホームレスや地球の裏側の人々と。あらゆるものに八百万人の神様が宿っている。上手いこと言ったつもりになってんじゃねえぞとぼくを戒める。ぼくは他人の態度を取り続ける。お前のプライベートの姿なんて知るか。意味の範囲を深くしてはいけない。あまりにも掘り下げすぎると、あらゆるものごとは0次元に還ってしまうからね。そうしてぼくたちは、この空のしたで、ほとんど自動的に何らかの働きをするわけだけど、嫌いじゃない。ぼくはぼくを機能させられて幸せだと思う。正しくても、正しくなくても。健康に焦がれながら。他人を気にしないと思ってもそう思った時点で他人を気にしている。その種のトラップは数多ある。一日勃起せずにいられたらシールを一枚貼っていただきたい。良いことは良いと、そして悪いことは悪いと、胸を張って言いたいのに、何が良くて何が悪いのかわからなくなっている時の夕焼け空をぼんやり眺めている。ややこしくてため息がでるよはあぁ。マインドコントロール姫、ぼくを海へ連れて行って。全ての海へ。ぼくは、時代の先端だけを切り取っている。ぼくは、ヘラヘラしている。悲しみの影を、失わないで、彼女は、友達がいないの。処女の経血が、ぬかるんで、台無しにして、何を思えばいいかわからない。いちいち毎日気にしなきゃいけないことを、きちんと毎日気にしていることはとても大変で、たまにぼくはぼくの部屋を燃やしたくなってくるよ。だから、君とぼくで、貨幣制度を終わりにしないか。鳩はとんでるし、噴水は噴出しているんだよ、公園に行けば毎日。だからぼくたちも、ありえない言葉で空を飛ぶことができるよ、公園に行けば、毎日。