日報

あるいは遺書

りゅう

ぼくは餓死寸前にならずに済んだ

どんどん壊れていく、部品が、からだの。人生が狂っていく。伝わっている不穏な感じ。今日はまあまあいい感じだったのに。落とし穴が隠されている。戦争が始まっている?気づかぬうちに。だってそれは隠されているんだから。闇の電気がぼうってついて、なんとなくここにいることが間違っているような。虫は飛んだ。悲しくてやりきれないよ。この大空に。翼を広げ。誰かになりたい、誰にもなれないのに。踏み潰してやる。虚無が通り過ぎる。顔のない目でちらっと見て。白い壁が汚されている。指紋が付着している。風邪をひいている。菌が。自分で自分を閉じ込める。自分は二人いるから。もがき苦しんでもどうしようもない時、反応自体を取り消して、何にもなかったような顔をして。顔のパーツが歪んでいく。犬が吠えて猫が盛ってる。転がり落ちてもんどり打って、その衝撃の連鎖の最中に、なんだか奇妙に冷静になって、とにかく数字を、たくさん数える。全てがギャグだとしたらそれは虚無だ。つまり好きなものがない。ずっと眠っていたい。そうだよね、疲れるんだもの。何をしに来たのかわからないし、だけど何かをしていないと不安で仕方がないから、街、を歩く。グラウンド。とことこ。こんな存在になってしまった。今まさに脳みそが変形しているところ。俺を前向きにしてくれ。誰しもに頼みたい。想像力が巡り狂っている。良い人や悪い人がいて、君はどっちなのかいつも決めかねている、優柔不断だから。身体を広げて、風に身を委ねれば、埃が宙に舞って、君の部屋でずっと寝てたい、君の部屋でずっと。もう何も聞きたくないんだ、音楽や生活音、耳鳴り、声。突然黒い穴が現れるよ床に。ぼくはとりあえず動かない。ぼくはとりあえず観察している。とりあえずの人生。というかハリネズミの人生。もうめんどくさいし人のせいにしまくりたい、出来ることなら何でもかんでも、いいことも、わるいことも、あらゆることを含んだ全ての事象の責任を、全てお前に押し付けたいんだよ。カナリア。ぼくはカナリアになれやしないよ。滑稽な悲しみがダンスミュージックに合わせてピクピクと痙攣。だらしがない疲労感がアヘ顔で死んでる。テレビをつけるな。窓を開けるな。喉が渇いて。どう?どうもこうも。挨拶の声がでかいよ。子供はつくらないに越したことはない、絶対に子供だけはつくるべきではない、絶対にお前のような人間は必ず、大人しくしているんだ、さあ。支配と隷属。冷たい汗。背後から虚空が圧倒的な存在感で。全てをギャグにして笑うしかないのだろうか。それとも神経を一本一本ハサミでちょん切るのか。耳を切ったって音楽は聴こえるだろう、うるさい声がいつまでも、お馴染みの渦を巻きながら。うざい。俺は一体どこに存在しているのだろう、ひどく頼りなく感じる、ちゃんと服を着ただろうか。服を着ているつもりになっているけど俺は、気付かないうちに全裸になっていたらどうすればいいんだ。誰も教えてくれない。学校で習わなかったことが多すぎる、というか学校さえあんまり行ってなかった俺は、今まで何を学習してきたのか、聞いてみたい。身の回りの物質たち。萩野竜侑は一体何を学習してきたのだ?なあ、身の回りの物質たち。自由とはなんだろう。大きくなったり小さくなったり、図形がぐるぐる、模様の中に入って模様の向こう側に行ったら模様があるような、ふざけた馬鹿らしい脳みその錯覚。愛と感謝そして、その後に?なにが?なにを?する。スルー。ぼくは餓死寸前にならずに済んだ。四肢を切断されずに済んだ。皮を剥がされずに済んだ。よかったじゃないか、たのしかったじゃないか、太陽の温度は、ちょうどよかったじゃないか。同じ場所ぐるぐるさんが、また同じ場所で回転してる、今日は少し悲しそうに。おーい。同じ場所ぐるぐるさん。何歳ですか?精神と肉体を繋いだ紐。その紐で首を吊るつもりなのか。野良犬が餌を求めている。汚い鳩が、餌を求めている。友好的な笑顔で他人の態度を取るなんて卑怯じゃないか。常に電車に乗っているかのように速いんだ、風景が、俺自身が特急列車なんだよ。ついてけないよ、やってけない。諦めた瞬間に背後から虚空が圧倒的な存在感で。たっぷりと愛してくれる。たっぷりと注いでくれる。ジュース。飲みたい。幸せの。また行ったり来たりの。同じ場所ぐるぐるさんと同じ場所うろうろさんが、公園の鳩に餌をやる。何故なら餌を求めているから。お腹を空かせているから。全ての生命は生きたいと思っているから。じゃあもう、結婚すればいいじゃねぇかよ。街の広場では、やってはいけないことの方が多い。駅構内や、図書館や、皇居では、やってはいけないことの方が遥かに多いから気をつけろ。ぼーっとするな。前を見ろ。前に進め。足を休めるな。思考を止めるな。強い意志を持て。揺るぎない強い意志を。今日もまた無意識に頑張ってしまった。たとえば、ペットボトルを握る手の強さや、右足と左足を交互に出す行為の速さや、抽象的なじゃんけん大会で、頑張ってしまった、俺は。必死になってしまった。冷静になれなかった。空を見上げられなかった。リラックスしていなかった。ジャムおじさんに顔を焼いてもらわなくちゃ。ジャムおじさんに顔を焼いてもらわなくちゃ。ジャムおじさんに顔を焼いてもらわなくちゃ。