日報

あるいは遺書

りゅう

10/9(火) 晴れ 太陽の光を浴びるとセロトニンが出ます

アラームを使わずに、自然と目覚めた時間に起きた。朝8時半。疲労が残っていて、二度寝しそうになったけど、なんとか耐えた。
読書をし、洗濯物を回し、掃除機をかけた。いい天気。カーテン越しの光が清々しい。
昨日の残りの炊き込みご飯、納豆、林檎を食べる。

横須賀にある無人島の「猿島」に行こうということになっていたので、10時半頃に家を出る。
電車の中で、睡眠についての調べもの。やはり、セロトニンとかメラトニンとかの、脳内物質の話になってくる。

↓その時に残したメモ
「生活のために必要なタスクをこなすことで、自然と幸せのホルモンが分泌される機能が、身体には元々備わっている。
太陽の光を浴びる、生き物とコミュニケーションを取る、その他諸々。
発達した文明の利便性は、この機会を奪う。だって、太陽の光を浴びなくても屋内で仕事ができるし、会話なんてしなくても生命の危機にはならない。
文明の発達に肉体が追いついていないっていうのは、こういうことだ。脳の中で産み出された「情報」だけが、独り歩きしている状態。
だから、現代に生きる人間は、幸せを見失いやすい。幸せという感覚にしぶとく食らいついて、それが何なのか見極めなければならない。そうしないと、わけのわからないことをしだす。」
最近興味のあるトピック、「狩猟採集生活」「原始人の暮らし」とここで繋がった。ここから「資本主義に代わる新しい経済圏」の話まで持っていくこともできそうだ。
俺は、その時に興味があることをただ一過性で調べたり考えたりしているだけで、特に全体を意識することもないんだけど、あえて俯瞰して見てみれば、多分「生きている感覚」を目指しているんだと思う。音楽とか、旅行とかでも、エネルギーの源は常にそこにある。そうして考える中で、色んなことが繋がっていく。
一つの答えとして、「身体性の欠如した生活に生命はない」というのにたどり着いた。

12時過ぎに横須賀に到着。前から気になっていた「海軍カレー本舗」という店で海軍カレーを食う。
確かにうまい。元祖カレーライスだけあって、日本人の舌に最も馴染む味、という感じだ。温かみと上品さを併せ持っている。
でも、これで1300円ってぼりすぎじゃね?と思った。しょうがない、「名物」と化した商品は、みな一様にこのような運命をたどるんだ。
味は確かだったが、もう二度と来ることはないだろう。お腹いっぱいにならないし。頑張って家でつくろう。

三笠公園猿島までの乗船券を買う。一人1500円。待ち時間、観光案内の看板を読もうとするが、眩しすぎて無理だった。今日、日差しが強くてなかなか暑い。
平日の昼間なので、どうせ猿島に行く人なんてじじいとばばあが3人くらいだろと思っていたけど、案外混み合っていた。30人以上はいた。
船に乗り込み、動き出したと思ったら、もう目的の島が目の前に見え始める。思っていたよりだいぶ近い。これ、頑張れば泳いでも来れるんじゃないか。夜中に侵入する奴とかいないんだろうか。帰りの船に乗らずに、森の中に隠れてる奴とか。

猿島は、東京湾内にある唯一の無人島で、過去は海軍の重要な軍事拠点だった。島内にはレンガ造りの軍事施設などが今も残されていて、国史跡に指定されている。
周囲1.6kmで、全部見て回るのに大体60分くらい。
トンネルのあるエリアは、高い塀の上に木立が生い茂っていて、桟橋らへんの日差しの強さが嘘のように、涼しくて心地よかった。
昔の軍人がこの道を歩いている姿を想像し、タイムスリップしたような気持ちになった。木漏れ日がゆらゆらと揺れていて、幸せを感じた。
ラピュタの世界観とか言われてるらしいけど、それは別に思わなかった。
階段の登り下りがやたらと多くて膝に負担がかかった。
2000年前の貝塚が発見されたという洞窟を見て、弥生時代の人間の暮らしに思いを馳せた。どこまで行っても都市がない、というのはどんな気分だろうか。洞窟のそばは、海の匂いがした。
そんなこんなで、ちょうど60分で島内を一周できた。秋の散歩には、疲れすぎることもなく、ちょうどいいくらいの時間だったように思う。自然も豊かで、歩いていて気持ちよかった。こういう年寄りくさいデートが好きだ。写真もたくさん撮った。
帰りの船は一時間に一本の間隔。戻ってみると、行ってしまったばかりだったので、休憩所みたいなとこで昼寝したりした。あとネアンデルタール人について調べたりした。
15:45の船で横須賀に戻った。

ちょっとお茶してから帰ろうってことで、喫茶店を探す。駅前の商店街の中に小ぢんまりとした喫茶店を見つける。名前は忘れた。古びていて、ちょっとお洒落で、アットホームな雰囲気。漫画がたくさんある。お店の人もものすごく愛想がよくて、居心地がよかった。
俺はアッサム、奈緒ははちみつレモンティーを飲んだ。18時頃町田に帰ってきた。TSUTAYAで戸田真琴というAV女優がおすすめしていた映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」を借りて帰った。ヨシとオールドヒッコリーでピザを食べた。

10/8(月) 曇り パパ活の街宣車

朝起きられなかった。家を出る10分くらい前にようやく起きて、支度した。今日は奈緒と一緒なので、一緒に家を出る。ありえないほど眠い。調子が悪いので、気分も沈んでいる。天気もあまり良くない。
やっぱり、昨日変な時間に熟睡してしまったのがよくなかった、結局寝る時間遅くなって昨日の疲れを引きずっている。もうちょっと意識して生活習慣をちゃんとしたいと思っている。じゃないと、心がもたない。

連勤が続いてプロのコンビニ店員として仕上がっているせいか、レジに立った瞬間に少し身体が軽くなる感じがした。
連勤は今日で最後。祝日だから暇。てんやわんやすることもなく、一緒に入ってるメンバーも、奈緒と遠藤さんと、優しい人たちに挟まれていい感じなので、朝の暗い気持ちから一転、リラックスして過ごせた。
一昔前の夕勤みたいに、ただ駄弁るためにレジに立ってる感じ。
コンビニの仕事自体が好きなわけではないので、周囲にいる人間によってかなり左右されてしまう。今日は良かった、助かった。
あと、またモンスターを飲んだ。もうやめたい。家計が圧迫される。

疲れない方法について調べた。
対策の一つとして、水をいっぱい飲むというのがあるらしい。
水分が足りなくなると血液の濃度が上昇して、血流が悪くなる。脳にも充分な血液が行き渡らなくなり、疲れてしまう。
1日に2リットルくらいを目安に、飲むといい。
「喉が渇いた」時にはすでに水分は足りなくなっている。なので、渇きを感じる前に、こまめに水分を補給する。
食前食中食後は、胃液が薄まるので、あまり飲みすぎない。
スポーツドリンクは糖分が多すぎるので、避ける。コーヒーや紅茶なども、結局はカフェインによって水分が失われるので、あまり好ましくない。
水で体調が改善されてモチベーションが保てるなら、モンスターなんていらないよな。効果あるかわからないけど、これからちょっと意識しようと思った。
睡眠の質を上げる方法とかも調べたかったけど、休憩時間が足りなくて無理だった。今度調べる。
とにかく、疲労によってやりたいことがやれないという状況は、かなり情けないので、なんとかしたい。
社会の底辺に位置するクソアルバイトマンなので、何をするにも時間が足りなさすぎる。そのことに、最近ようやく気付いた。少しずつでも効率を上げていかないと、現状維持で毎日が過ぎていくことになる。それはダサい。

おっさんに貰ったアリナミンV飲んだら疲労が軽減された。初めて飲んだけど、カフェイン摂取したときの高揚する感じとは違って、いつの間にか疲れが消えている。成分表を見ても、確かにカフェインの記載はない。味は不味い。
夕方になってもへとへとにならなかった。

ウーにフライヤーを教えた。俺は教えるのが下手だし、ウーも日本語が下手なので、伝わっているのかどうか謎な時がある。
奈緒がかなり教えるのをやってくれたので助かった。
奈緒は、英語も喋れないし日本語の使い方も間違いまくっているくせに、何故か外国人と話すのが上手い。相手の感情、言いたいことを汲み取る力がある(俺がなさすぎるだけかもしれないけど)。
台湾旅の時も同じことを思った。ジェスチャーと英単語だけの会話で、俺はまったく意味がわからないのに、奈緒が理解しているということが何回かあった。ひとりが好きとか言ってるし変人扱いされることも多いけど、本当は共感性がかなり高いんだと思う。

スタジオまでの間暇なので、アルバイト終わってから、奈緒と出かけた。
TSUTAYAに寄って「リーベンクイズ」というドキュメンタリーを借りた。戦時中兵士だったおじいちゃんたちが、アジアで行った虐殺の経験などについて語るという内容らしい。
そのあと、マルイの屋上庭園に行った。8階のスタバで抹茶ティーラテを奢ってくれた。ファミマの抹茶ラテをミルクだけで作った時とほぼ同じ味だった。
庭園に入ると、最小限の光で薄暗くて、地上の音も届かないから静かで、とてもいい空間だった。綺麗に整備されていて、ベンチもかなり座り心地が良い。そして、人が少ない。いたとしても、薄暗いのであまり見えないから、気にならない。これは穴場。
奈緒は、たまに一人でここに来るらしい。俺も、一人で来ようかなと思った。これからの季節は外で過ごしやすい。昼間に来てここで本でも読んだら、気持ち良さそうだ。そんな時間が捻出できるかどうかは謎だが、この場所は覚えておこうと思った。
噴水の向かい側に、薄暗いのをいいことにありえないくらいめちゃくちゃペッティングしているカップルがいて、少し気まずい気持ちになった。俺たちは30分以上いたと思うけど、俺たちが来る前からペッティングしていたし、俺たちが帰る時もペッティングは続いていた。
とてもここがマルイの屋上とは思えないほど濃厚に身体を貪り合っていて、ショックを受けた。そのカップルがいるベンチだけ、家のソファーみたいになってた。ずっと同じことを続けられるのがすごいと思った。

19時からミュージックシティで久々の屋根スタ。3週間ぶりくらいか。忠は「絶対間に合う」とか言いながら、相変わらず3分くらい遅刻。
俺がスタジオ休んでいる間に、「ひかり」がすごい良くなってて感動した。BPMがかなり遅くなっていて、それがぴったりハマった。そぼふる雨を連想した。とぼとぼ歩きながら、激情を内包した虚無、って感じ。
あとは、音が聞き取れなさすぎてほぼ何もわからなかった。何しろ狭い。7畳だ。みんなと仲良くなれそうなくらいに、距離が近い。忠がエフェクター広げただけで、もういっぱいになってしまう。予約したのが直前過ぎて、ここしか空いてなかったらしい。耳がイカレちんぽになった。

帰り道、パパ活専門のアプリを宣伝している街宣車を見かけて、コバが「頭おかしいだろ」と言っていた。「俺はお金持ちになっても絶対やらないようにしよう」とも言っていた。

屋根折り、俺の気持ちの中で色々あったし、今も現在進行形で揺れているところはあるけど、やっぱりこの輪の中にいると楽しい。久しぶりに会ってそう思った。
楽しいだけじゃ意味ないし、俺はメンバーのことを全く信頼していない。
あまりにも今更すぎてあれだけど、みんなで何かする、 っていうのが根本的に苦手だ。別に、その欠点を補ってくれる感じでもないしなぁ。
俺は、色んな問題を保留したままの、卑怯でだめなバンドマンかもしれない。でも、今屋根折りをやめるのはやっぱり怖い。
そんなに音楽から離れちゃったら大変だと思う。
覚悟のない文章になってきてるな。
でも、今日は良かった。たまにこうやって、全部を含めた音それ自体に感動する時がある。この感じは、多分、俺が家で一人でPCと向かい合っても作れないだろうな、と思う。
一瞬だけ輝いても、それがなかなか軌道に乗らない。そんな感じ。乗せ方がわからない。どこを目指せばいいかわからない。
安田のドラム好きだ。ベロシティ300くらいの壊れそうなリズム。

帰りの電車で日記書いたけど、全然間に合わなかった。ここまでの半分くらいしか書いてないのに、町田に到着。
全然時間が足りねえー。この量、もっと早く書きたい。30分くらいで。もっとホイホイ言葉が出てくればいいのに。要所要所で考え込んでしまう。ずっと続けていれば、早く書けるようになるかな。
アウトプットは楽しい。あの出来事に、心象に、一番似合う文章を考える行為。一日一日を記録するのが目的ではなく、一日にあったことや考えたことを材料に、アウトプットそのものを娯楽として楽しむことを、意識している。その結果として俺の表現者の質がちょっとでも上がればラッキー、と思っている。でも時間も体力も足りなくて、中途半端になりがち。至らない。

晩飯は、炊き込みご飯炊いてくれた。量がいっぱいあって、明日も食べれるので嬉しかった。

10/7(日)晴れ タフ

アルバイト8時から17時。
最近バイトしかしてない。連勤が続いて、プロのコンビニ店員として仕上がってきている。働いてる時は楽なんだけど、何かが麻痺している感覚。
人類が社会をシステム化させすぎたことの弊害ではないだろうか。文明の発達に対して肉体の進化が追い付いてないのだと思っている。社会っていうのは、ほぼ脳みそだけで運営されているので、おかしなことがたくさん起こる。
最低限のインフラを享受しながら、人間らしい生活を送るためには、莫大な量の人間じゃなくなる時間が必要になる。俺はレジを打つ機械。何を言われても「申し訳ありません」と言わなければいけないことが、マニュアルによって定められている。
もちろん、麻痺していた方が生きるのは楽だ。それはそうだ、人間は社会的な動物で、無意識のレベルで社会に合わせていかなくちゃいけないから。社会は「部品」がないと成り立たない。日本社会がとりわけ過剰なだけかもしれないけれど、役割に人格を飲まれるまでしっかりとやらなくてはならない。
周囲にたまたま心を許せる人がいて、よかった。普通の会話ができるっていうことで、ほんの少し救われている。

中村文則の「その先の道に消える」を行きの電車でちょこちょこ読んでいる。
チープだけど、引き込む文体だなと思う。表現力というよりは、リズム感によって、深層心理に連れ去られる。すいすい読んでいるうちに、いつの間にかのめり込んでいる。
ちょっと首をかしげるような表現もあるけど、そういうところも含めて癖になる。
ちょいちょい挟んでくるうんちくタイムみたいな場面も結構好き。普通に勉強になる。
今回の作品はエロ描写が比較的多くて、読みながら疲れる。朝の電車で官能小説読むのは、結構精神的にあれだ。
しかも、エロに関する表現が稚拙。2ちゃんねるのスレに貼ってある台詞付きのエロ画像とかとほぼ同じレベルの安易な妄想みたいな文体。わざと狙ってやってるのかな。あえて安っぽくすることによって、虚無が透けて見えるような。しかし、読んでてキツい時ある。

「紙袋に入れないと怒り出すおっさん」が今日も来て、親しげに話しかけてきたと思ったら、何故か俺にアリナミンVをくれた。
どういう魂胆だろう。俺もしかしてこのおっさんと仲良いのかな?俺は反応に困って、ニヤニヤしながらありがとうございますと言うしかなかった。
あのおっさんの考えてることがわからない。会話も、全部ひとりごとの延長みたいな感じで、ほとんど半分くらいしか聞き取れないし、突然怒り出してきた過去があるので、結構恐い。苦手だわー。
俺は今日もモンスター漬けなので、アリナミンVは明日飲むことにした。

会計終わった商品持ってきてTポイントつけてくれっていうおじいちゃんがきて、タマンが変な意地を張ってできないですとしきりに言い張るので、俺が代わりにやってあげた。

今日は、止まらない怒りに支配されることもなく、自分自身の暗い過去に囚われることもなく、そんなに忙しくもなかったし、ある程度リラックスして平和に終えられたと思う。
ただ、もう疲労がしんどい。嫌だ。疲れない方法ってないのかな。考えてみると、疲れてない時なんてほとんどない。調子が万全な日、週に1回あるかないかくらいしかない。俺は、タフじゃないな。

家帰って、とっくに届いてたMDR-CD900STをようやく箱から出し、Logicをちょっと触るが、あまりの疲労感に脳がPCの画面の中に吸い込まれそうになったので、ほとんど何も進まないまま、2時間くらいしてから寝た。
22時に一回起きたが何故かまた寝て、起きたのは50分後だった。またやってしまった。奈緒が帰ってくるまでの間にビーフシチューつくろうと思ってたのに。